■301　and

文中では普通は弱く発音され，/d/ が脱落することが多い．
従って以下のような場合は「アン」のように聞こえる．

come and see
/kʌ̀mənsíː/
「カマンスィー」

sing and dance
/sɪ́ŋəndǽns/
「スィンカ゚ンダンス」

※「カム･アンド･スィー」，「スィング･アンド･ダンス」のように発音しないこと．

さらに前の子音が /t/ と /d/ の場合 /n/ だけとなって「ン」となる．

eat and drink
/íːtndrɪ́ŋk/
「イートゥンヅリンク」

hit and run
/hɪ́tnrʌ́n/
「ヒットゥンラン」

glad and happy
/ɡlǽdnhǽpi/
「グラドゥンハピー」

We played and won.
/wipléɪdnwʌ́n/
「ウィプレイドゥンワン」

※「イート･アンド･ドリンク」，「ヒット･アンド･ラン」，「グラッド･アンド･ハッピー」，「ウィー･プレイド･アンド･ワン」のように発音しないこと．

※ /ǽnd/ は前に息のとぎれがあるとき，コンマやセミコロンなどがあるとき，または文の初めに来たときなどに発音される．

■302　are1

文中では普通は弱く /ɚ | ə/ と発音されることが多く，その前に子音で終わる語がくるとその子音と結合する．

Ten men are running.
/ténménɚrʌ́nɪŋ/
「テンメナラニンク゚」

Birds are singing.
/bɚ́ːʣɚsɪ́ŋɪŋ/
「バーヅァスィンキ゚ンク゚」

※「テン･メン･アー･ランニンク゚」，「バーヅ･アー･スィンキ゚ンク゚」とは発音しない．

■303　’em

話しことばでよく them の代わりに使われ，常に弱く /əm/ と発音される．
前に子音で終わる語があると /ə/ はその子音と結合する．

take ’em
/téɪkəm/
「テイカム」

Get ’em!
/ɡéṭəm/
「ゲタム」
（｟米｠ではまた「ゲラム」）

※ ’em が them の代わりだということを知っていないと話が聞き取れない．

■304　her

文中では弱く発音され，その際 /h/ が落ちて /ɚ | ə/（＝are）となることが多い．
そのとき前に子音で終わる語があると /ɚ | ə/ はその子音と結合する．

assist her
/əsɪ́stɚ | -tə/（＝a sister）
「アスィスター」

I love her.
/aɪlʌ́vɚ | -və/（＝lover）
「アイラヴァー」

Bill likes her dress.
/bɪ́lláɪksɚdrés | -sə-/
「ビウライクサヅレス」

※「アスィスト･ハー」，「アイ･ラヴ･ハー」，「ビル･ライクス･ハー･ドレス」のように発音しない．

※ assist her は a sister と，love her は lover と同じに聞こえる．

■305　him

文中では弱く発音され，その際 /h/ が落ちて /ɪm/ となることが多い．そのとき前に子音で終わる語があると /ɪ/ はその子音と結合する．

I respect him.
/aɪrɪspéktɪm/
「アイレスペクティム」

I gave him a hug.
/aɪɡéɪvɪməhʌ́ɡ/
「アイゲイヴィマハッグ」

※「アイ･レスペクト･ヒム」，「アイ･ゲイヴ･ヒム･ア･ハッグ」のように発音しない．

■306　his1

文中では弱く発音され，その際 /h/ が落ちて /ɪz/（＝is）となることが多い．
そのとき前に子音で終わる語があると /ɪ/ はその子音と結合する．

He drives his own car.
/hiːdráɪvzɪzóʊnkɑ́ɚ/
「ヒーヅライヴズィゾウンカー」

Mike likes his uncle.
/máɪkláɪksɪzʌ́ŋkl/
「マイクライクスィザンクー」

※「ヒー･ドライヴズ･ヒズ･オウン･カー」，「マイク･ライクス･ヒズ･アンクル」のようには発音しない．｟/kl/ の発音については ⇒ TIPS ⑥ ■603 circle｠

■307　it1

文中では弱く発音され，前に子音で終わる語があると /ɪ/ はその子音と結合する．

pack it
/pǽkɪt/（＝packet）
「パケット」

learn it
/lɚ́ːnɪt | lə́ːnɪt/
「ラーニット」

We ate it.
/wiéɪṭɪt/
「ウィエイティット」
（｟米｠ではまた「ウィエイリット」）

※「パック･イット」，「ラーン･イット」，「ウィ･エイト･イット」のように発音しない．｟/ṭ/ の発音については ⇒ つづり字と発音解説 44 注意｠

※ pack it は packet と同じに聞こえる．

■308　of

普通は文中で弱く /əv/ と発音される．子音の前では /ə/ とだけ発音されることもある．of の前に子音で終わる語があると of の /ə/ はその前の子音と結合する．

a cup of coffee
/əkʌ́pəkɔ́ːfi/
「アカッパコーフィー」

a piece of art
/əpíːsəvɑ́ɚt/
「アピーサヴァート」

※「ア･カップ･オヴ･コーフィー」，「ア･ピース･オヴ･アート」のように発音しない．

■309　should

文中では弱く /ʃəd/ と発音されることが多いが，/ʃəd/ の後に母音で始まる語が続くと，その母音と語末の /d/ とが結合して「ダ」行（｟米｠ではまた「ラ」行）の音のように聞こえる．

You should elect him.
/juːʃəḍɪlékṭɪm/
「ユーシュディレクティム」
（｟米｠ではまた「ユーシュリレクリム」）

He should have accepted it.
/hiːʃəḍəvəkséptɪḍɪt/
「ヒーシュダヴァクセプテディト」
（｟米｠ではまた「ヒーシュラヴァクセプテリト」）

※「ユー･シュッド･エレクト･ヒム」，「ヒー･シュッド･ハヴ･アクセプテド･イット」とは発音しない．

■310　some

文中で弱く /səm/ と発音されるときには「スム」のように聞こえ，強く /sʌ́m/ と発音されるときには「サム」のように聞こえる．
いずれにしても後に母音で始まる語が続くと，some の /m/ とその母音とが結合して「マ」行の音に聞こえる．

I want some eggs.
/aɪwɑ́nts(ə)méɡz/
「アイワントスメッグズ」

Some agree with us.
/sʌ́məɡríːwɪθəs/
「サマグリーウィサス」

※「アイ･ワント･サム･エッグズ」，「サム･アグリー･ウィス･アス」とは発音しない．

■311　us

文中では普通弱く /əs/ と発音されるが，その前に子音で終わる語があると /ə/ がその子音と結合する．

Give us a minute.
/ɡɪ́vəsəmínɪt/
「ギヴァサミニット」

Stay here with us.
/stéɪhɪ̀ɚwɪθʌ́s/
「ステイヒアウィサス」

※「ギヴ･アス･ア・ミニット」，「ステイ･ヒア･ウィス･アス」のように発音しない．

｟/pl/ の発音については ⇒ TIPS ⑥ ■605 people｠

■312　would

文中では弱く / (w)əd/「(ウ)ド」と発音されることが多いが，その後に母音で始まる語が続くと，その母音と語末の /d/ とが結合して「ダ」行（｟米｠ではまた「ラ」行）の音のように聞こえる．

Bob would admit his error.
/bɑ́b(w)ədədmɪ́ṭɪzérɚ/
「バッブッダドミッティゼラー」

She would excuse you.
/ʃíː(w)ədɪkskjúːzjuː/
「シー(ウ)ドデクスキューズュー」

※「バッブ･ウッド･アドミット･ヒズ･エラー」，「シー･ウッド･エクスキューズ･ユー」とは発音しない．