なにが起きても「ノープロブレム」が合言葉なインド。そんなインドに暮らしつつも、お客さんを待たせてしまうことにあせりを感じる、という久田さんのお話は、正直、驚きだった。
「やっぱり三つ子の魂百までで、私は一生日本のこころを持ってると思います。忘れてはいけないこと。おもてなしのこころですね。それは、いいところだと思うので」
ほかにも、久田さんが大切にしている「日本のこころ」を聞いてみた。
「思いやりとか、そういうことですね。インドにも、もちろん思いやりのこころはありますけど、結構ずけずけものを言いますので」
また「ありがとう」「ごめんなさい」のような言葉を忘れないように、こころがけているのだそうだ。
「『ありがとう』と言うと、インドでは、水臭い、と怒られるんですね。『ごめんなさい』も、インド人はあんまり言わない。あと、時間を守ること。いつも気をつけています」
時間にこだわらない人が多いインドで、時間を守るというのはなかなか大変そうな気もするが、それだけしっかり日本のこころを持ち続けているということだろう。「これは日本のカルチャーだから」と、「ありがとう」などは積極的に言っているのだそうだ。
メグカフェをやっていて、いちばんうれしいのは人との出会いだという。
「お客さんとして来てくださる方と、最後は友達というか、人間対人間としての交流ができる。そのうえ、お客さんがまた帰ってきてくれる、というのがすごくうれしい。ほんとうに、宝物です」
久田さんのお話を聞いていると、インドを心から愛し、その文化を尊重していることがうかがえる。「エネルギッシュで、人が温かくて、コミュニケーションが深い。結婚する前は、もちろん家族はいなかったんですけれども、インドに着くと『帰ってきた』っていう気持ちになるのは、当時から変わってないですね」
日本から遠く離れたインドで、世界でいちばん大切な「運命の相手」サンジェイさんを見つけた久田さん。「インドで暮らすこの幸せをかみしめながら、楽しんで仕事をしていきたい」という。
インドのバラナシを訪れたら、ぜひ、メグカフェを探してみてはいかがでしょうか。(M)
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