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私の語学スタイル

第10回
「なぜ」という気持ちを大切に

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Style1
自分の目で確かめたかった「日本」

 20年以上に渡って日本で生活し、韓国語教育を始めとした研究を続けている姜先生。来日するきっかけはなんだったのか。「韓国で、軍隊を除隊する直前、時間の余裕ができたので日本語のひらがなの勉強をしてみたんですね。それまでにも何回か日本語を勉強する機会はあったんですけれど、全然覚えられなかったんです。だけど、このとき一生懸命やったら覚えられて、そうしたらもう韓国語と日本語って文法が似ているから、自分がものすごくできるようになった気がするんですよ。『これは、英語とは全然違うぞ!こんだけできるんだったら、すごいんじゃないの?』という感じで」

 当時韓国で、日本に関する情報は錯綜していた。歴史的経緯や高度経済成長で注目を浴びていたのと同時に、日本からの情報は制限されてもいた。「『日本社会って、本当はどういう社会なんだろう。自分の目で確かめてみたい』という気持ちが強くなっていって。除隊してから就職したんですが、日本語の勉強は続けて。頑固な親父を説得して説得して、だめだって言われながらそれもふりきって、日本へ留学することを決めました」

Style2
韓国で、日本語漬けの日々

 「そういう事情でしたから、日本に来て時間を無駄にするわけにはいかないと思って」

 来日前に、韓国でできる限り日本語を習得しようと努力した、姜先生。

 「1日中、日本語漬けでした。朝起きたら、枕元においてあるカセットプレーヤーのスイッチを入れて流しっぱなし。外出するときにも必ず持って歩いて聞いて、帰ってきてもまたかけて、かけっぱなしで眠りに入る、その繰り返しです」

 長期留学などで、長期間外国で生活するならば、出発前にできるだけその言語に「漬かって」おくことは必要、とのこと。

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