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人の力を使わない人力車 (インド英語探検記 4)

人の力を使わない人力車 (インド英語探検記 4)

カテゴリ : 
くもの脚(著者が散歩などで発見したこと)
執筆 : 
Tom Gally  投稿日 2012-8-7 18:20

先週の土曜日に、ゴア州南端の公立寄宿高校に行ってきた。C大学でコンカニ語を教えているD教授はそこのPTA会長で、私を招待してくれた。緑豊かな山を越えて学校に到着したのは午前10時ごろだった。(途中で二回も道路を歩く象とすれ違った。私は動物園とサーカス以外のところで象を見たのは初めてだったが、車を運転していたD教授は気にしていなかったようだ。)

学校に着いたら、右の写真に写っている 16、17歳ぐらいの生徒たちに講義した。私が選んだテーマは、日本、日本語、そして世界の中の英語だった。生徒たちに「日本について何を知っていますか」と聞いたら、It’s a developed country、Japanese people work hard、It has the highest population density in the world. などと答えてくれた。(実際には世界最高の人口密度ではないはずだと思ったが、訂正しなかった。)生徒たちは日本の文化については何も言わなかったので、インドに由来する仏教と日本固有の神道を簡単に説明した。日本の人口密度は確かに高いと認めたが、最近の少子化で人口が減り始めて、その故にさまざまな問題が出てきているとも説明した。

次に、日本語の文字を簡単に紹介した。黒板に「インド」と「 i n do 」を書いて、仮名はデーバナーガリー文字と同様に音とほぼ一対一の関係があるが、「日本」の「日」は ni、「毎日」の「日」は nichi、そして「日比谷」の「日」は hi と読むと説明したら、皆びっくりしたようだ。漢字には意味やイメージがあるから、表音文字で表現できない良さもあると説明するために、「人力車」を例として提示した。「人」という字は人間の足に似ていて、「車」という字に車軸などが描写されていると示した。(「力」の字源を思い出せなかったのでそれを省略した。)「人力車」は「人の力で動く車」だと説明したら皆面白がって納得してくれた。

それで「英語の rickshaw は日本語の『人力車』から来ていると知っていましたか」と聞いたら、先生たちを含めて皆「ノー」と答えた。私がもともと「人力車」を例として選んだ理由は、rickshaw というタクシーがマルガオの道を走っているからだ。ただ、左の写真のように、ゴアの rickshaw は人の力で動いているわけではない。

数種類の英英辞書を調べたが、モーターで動く rickshaw が出ていないので、この言葉をインド英語の例としてここで紹介することにした。

高校生たちに世界の英語について話したことを後日また報告する。


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