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通じないジェスチャー (インド英語探検記 8)

通じないジェスチャー (インド英語探検記 8)

カテゴリ : 
くもの舌 (言葉について気が付いたこと、考えたこと)
執筆 : 
k_webmaster  投稿日 2012-8-17 2:05

 インド滞在期間の折り返し地点を過ぎた。ゴア州南部のマルガオ市とその周辺にしか行っていないが、そこの状況に少し慣れてきた。インド人との会話では私の聞き取り理解度が少し上がった。すなわち、私が「エッ?」と聞き返す頻度が少し減った、と考えたい。

 
自分の英語の発音とイントネーションは相変わらずアメリカ英語のままだが、語彙では一応、相手に合わせるようにしている。例えば、大学のスタッフと話すときに「寮」のことを dormitory ではなく hostel と言い、「大学院」のことを graduate school ではなく postgraduate と言う。
 
ホテルのスタッフに何かを頼むときに、「Would it be possible to get some 何々」や「I was wondering if you could bring me some 何々」など、英語として丁寧な表現だがここでは理解されない表現をやめている。その代わりに、簡潔でわかりやすい「I need some 何々, please」などを使うことにしている。
 
コミュニケーションはもちろん言葉だけではない。身振り手振りも重要だ。私は最初、多くの外国人も珍しく感じるインド人のジェスチャーを誤解した。それは、頭を数回、両側に傾ける動きだ。大学のスタッフ、レストランのウェーター、キオスクの従業員などが私と話すときによく使う。この動きは
のように、日本やアメリカで「いいえ」を意味するジェスチャーではなく
のような動きだ。「いいえ」のジェスチャーに似ているので、最初は否定的な意味だと思った。しかし、数十回見てから逆に好意的な意味だろうと思うようになった。インターネットで検索したら Indian head bobble などの名称で説明が見つかった。例えば、英語ウィキペディアの不完全な記事には、特にインドの南部では「はい」などの意味を伝えるために使われると書いてある。
 
私の喋り言葉が理解されないことが多いが、私が無意識的に使うジェスチャーも通じていないようだ。例えば、日本では「Excuse me」や「Thanks」の意味で少し頭を下げることが多いが、ここでは相手にはその意味が通じていないようだ。また、東京や横浜の繁華街で客引きにアプローチされるときに、顔の前で手を振って断りの意思を伝えるが、そのジェスチャーはマルガオの市場やホテル前のバス停で出会う乞食たちに通じていないようだ。
 
二週間後に日本に帰るが、もし何ヶ月、または何年間もここで住むようになったらどちらが先に抜けてしまうだろう。私のアメリカ英語的な発音とイントネーション? それとも私の日本的なジェスチャー?
 

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