* ポイント * 頭でっかちな並列に注意
in all weathers: (1) どんな天気でも (2) 運の良いときにも悪い時にも、のうち (1)
通常は weather に s はつかない。ここは慣用的。 =in all kinds (sorts) of weather
help: 助ける>促進する
soundness: 健全性>十分な睡眠
@ limitation: (1) 「制限すること」(能動的意味) (2) 「制限されること」(受動的意味)、のうち (1)。 名詞句を文に置き換えてみると分かりやすい。
the strict limitation of the hours 時間の厳密な制限
(文にすると) He limited the hours strictly. 時間を厳密に制限した(能動)
例: the limitation of nuclear weapons 核兵器の制限
(文にすると) (They) limit nuclear weapons 核兵器を制限する(能動)
cf. his limitations as a writer. 彼の作家としての制限
(文にすると) He is limited as a writer. 彼は作家として能力が乏しい(受動)
○ 抽象名詞の passive meaning: 抽象名詞には能動と受動の二つの意味を持つものがある。
例: respect
have respect for one's parents 両親を尊敬する(能動)
be held in respect 尊敬される(受動)
use
the use of tools 道具の使用(能動「使うこと」)
be in wide use 広く使われている(受動「使われること」)
* ポイント * in 〜ing の意味を正しく掴む
in choosing: in 〜ing は、主文との同時性を示す。
直訳では「〜する上において」だが、while(〜しているときに)の意味。訳が流れにくい場合、因果に訳すとよい「〜することで、―になる」
cf. on 〜ing (〜するとすぐ)は when の意味。
occupation: (1) 占有;占領 (2) 職業、仕事、のうち (2)
determine: (1) 自分の意志でもって決定する (2) 意志にかかわらず自然にそうなる結果を生じせしめる、のうち (2)
involve: 巻き込む<必然的に伴う<影響を与える<・・・に関連を持つ
the standard of living: 生活水準
maintain: (1) 維持する (2) 主張する (3) 支持する、のうち (1)recreation: (1) (u) 休養;気晴らし (2) (c) 気晴らしのための行為、のうち (2)
pursue: 追い求める
environment: (1) 周辺環境 (2) 自然環境、のうち (1)
例: a happy home environment 幸せな家庭環境
He's researching the effects of aerosols on the environment.
彼は噴霧器の環境への影響を調査している
largely: 大いに;主として
vocation: 天職;職業
@ involve: ラテン語由来。in- 内へ volve 回転する →「巻き込む」が基の意味。 「含む」との訳語が充てられることが多いが、誤解を生む場合がある。日本語の「含む」は、大なるものに小なるものを付け加える場合に使うことが多いからだ。例: 「東京、大阪などの大都市(名古屋、札幌を含む)」 include も「〜を含む」と訳すとおかしいことがある。全体の一部というだけで、どれが上位かは言っていない(one of them、の意)からである。「…など」と訳すとうまくいく場合が多い。 A happiness and satisfaction in life: 1 and 2 M の場合、M(修飾語句)は1と2の両方に掛かるのが普通。 英語はバランスを重んじる言語だからである。それで意味の通じない時に限り、2のみに掛けるようにするのがよい。ここも「幸福と人生における満足」でなく「人生における幸福と満足」と読む。さらに言えば、happiness、satisfaction は同義語反復。英語はリズムをつけるために同義語反復を多用する。この点からも、1と2は一体と見るのがよい。 B environment: 似た単語の意味の差
environment 周辺環境・生活環境 C 自動詞+前置詞=他動詞化: 本文では depend upon が他動詞化し、目的語 your choice of vocation に繋がっている。
職業を選ぶことで、私たちは自分の人生での幸福と満足にかかわる多くのことを決めることになる。営む家庭、そこで暮らす地域社会、維持してゆく生活水準、求める余暇活動、自分たちの子供がそこで成長する生活環境、こうしたものは主として自分の職業選択によって決まってくるのである。
@ 言葉の言い換え: 英語は同じ単語を続けるのを好まない傾向がある。ここでは occupation を後で vocation と言い換えている。 「職業」にあたる他の言葉を上げると、business, calling, employment, profession, trade など A 現在形と未来形が混ざっているわけ: 筆者の可能性の感じ方であって、間違っているわけでない。 現在形は確実な未来を示し、未来形では確実度が若干落ちることになる。
* ポイント * イディオムの間に修飾語が入っている
give expression to: 〜の感情を表現する。expression と to の間にM(修飾語)が入っている
a group: 集まり
strong feeling: 激情
〇 主部を文にしてみると理解しやすい One will give expression to any strong feeling among a group of people.
〇 何故 give expression to 〜 が「〜を表現する」のイディオムになるのか: give は、相手に影響を与えるべく何物かを放出すること。expression は、表現・態度。to は広くは方向、狭くは随伴・一致(〜に沿った)。直訳では「(激情)に応じた表現を発する」。
例: He has the enviable gift of being able to give expression to his thoughts in a very lucid way.
彼には非常にわかりやすく自分の考えを表現できる羨ましい才能がある。
* ポイント * recognize の語義にこだわる
recognize: 事実・正当であると認める、が基本の意味。
(1) 既知であるはずのものを再認識する (2) 存在・正当性を認める、のうち (2)
例: (1) I recognized her by her voice.
声で彼女だと分かった
(2) They recognized me as being qualified for the job.
彼等は私がその仕事に適任だと認めた
merit: (1) (u)(c) 長所、取り柄 (2) (u) 価値、のうち (1)。
not so 〜 as ―: ―ほど〜ではない
@ to recognize: 不定詞になっているのは、仮定の気持ちが入るため。 A merit の訳語: 正確には上記のごとく (1) の「長所」だが、訳の流れで (2) の「価値」とするのは、許される。「長所」では説得性が弱いだろう。理解と訳は別、の例。
自分の価値は自分が考えているほど素晴らしいものではないと認めることは、しばらくの間辛いかも知れない。
* ポイント * 二つの fine の意味の違いは何か
driving: 動名詞「ドライブすること」
fine: 多義で文脈依拠だが、the fine country では「美しい」、a fine spring day では「晴れた」ととるのがよいだろう。同じ語を重ね、リズムを出す狙いもある。
country: (1) (u) 田舎 (2) (u) 地方 (3) (c) 国。
〇 the fine country: 「田舎」は普通、the country。 「地方;土地」の意味では普通、open country 開けた土地、のように(無冠詞)形容詞+country で使う。 だが、the+形容詞+country の形では (1) (2) (3)、いずれも可能となる。「美しい田舎」「美しい地方」「美しい国」。
晴れた春の一日、美しい土地をドライブするのは、この上なく楽しいことである。
@ driving の時制: to 不定詞が「現在から未来」のことを言う傾向があるのに対して、動名詞は過去から現在のことを言うことが多い。ここは、drive した経験が現にある、を含意。 A fine が多義のわけ: ラテン語の finis「終わり」由来。そこから意味が広がっていった。「最後の」<「完成した」<「立派な」「精製された」「洗練された」「繊細な」「晴れた」「健康な」「高潔な」など。
例: fine gold 純金
* ポイント * when は時間でなく、前後の対比を導いている
in fact: 思っていたのとは違って「実は」
when: 前後の逆接を受け、「…なのに」
a fatal mistake: 致命的な失敗
cf. error 非難されるべき間違い
@ 言葉の省略: 英語では、なくても分かる言葉は省かれることが多い。ここは(when in fact you don't)know が略されている。 A in fact: 前後の流れにより「実に」「実は」「それどころか」「もっと言うと」「否」といった訳語が充てられうる。
〇 when がどちらの意味か迷う場合がある: The heat didn't ease when the sun went down.
陽が沈んだとき、暑さは和らがなかった。
感じ方の問題。場面に力点があれば「…なとき」、前後の対比なら「…なのに」。
* ポイント * 共通関係のカンマに注目
learn to read<learn to do: …の仕方を学ぶ、努力して…できるようになる
in the original: 原典で
may or may not be: …であるかも知れないし、でないかも知れない
worth: (1) 価値がある (2) …に値する、のうち (2)
address: …に話しかける
understand: (他動詞)…の言うことを理解する
Sorbonne: 旧パリ大学文学部・理学部。現在のパリ第4大学
of the utmost moment: 最も重要な utmost 最大の moment (u) 重要性。of+抽象名詞=形容詞化。
educated: 教養のある
true: ありのまま;事実の;あてはまる
@ 単独の―: ―×××― は挿入のしるしだが、ひとつだけのダッシュは、次のような意味がある。 (1) 列挙総括
A dozen eggs, a loaf of bread and a pound of chees―is that all you wanted?
卵1ダース、パン1斤とチーズ1ポンド、お入り用なものはそれで全部ですね。
(2) 補足説明
Women are good drivers―better than men!
女は運転が上手いよ、男よりもね。
(3) 一部欠落
Newsweek is a week―magazine.
ニューズウィークは週―の雑誌である
ここは、(2)。 A that depends 省略されたもの:
That depends on the circumstances. B 「フランス人の」か「フランス語の」か:
French professor は通例「フランス人教授」。「フランス語教授」なら a professor of French とする。 C 〜self の使い方: no one can call himself educated SVOC. 〈人が〉O〈人・物〉を…と呼ぶ。 himself は no one とイコールであるしるし。him にすると no one と別の人を指すことになる。
誰も自分自身を教養があると呼べない→自分は教養人だと自負できない
原文でダンテの作品を読むことができるようになるのは、努力のし甲斐があることかも知れないし、そうでないかも知れない――それは場合による。ソルボンヌでフランス人教授に話しかけ、自分の言うことを分かってもらえるようになるのは、極めて重要であるかも知れないし、そうでないかも知れない。それも場合による。だが外国語を習得していなければ自分は教養人と称せない、と言うのは正しくない。
@ read Dante: 「ダンテを読む」→「ダンテの作品を読む」。具象名詞の抽象化。 A worth the effort の worth の品詞: worth は本来形容詞だが、目的語をとって前置詞のように働く場合がある。他に like, unlike, near などがそう。ここも前置詞+名詞ととってよいだろう。 B 共通関係のカンマ: to address, and to understand, a French professor(フランス人教授に話しかけ、言うことを理解してもらう)では、後のカンマが、to address a French professor, and to understand a French professor と読ませるしるしとなっている。
cf. × to address, and to understand a French professor
a French professor は to understand でブロックされ、前の to address の目的語になれない。
〇 to address and understand a French professor の場合は、
address と understand が並列し、a French professor を共通の目的語としているので可。
C true を「真実」と訳さぬよう: 形容詞 true は (1) 事実と合致していること (2) 精確であること (3) 心に違わぬこと。 not true を「真実ではない」とすると大げさになることが多い。
cf. 名詞 truth
不可算名詞 truth は「真理」という抽象的なものを表すが、the truth, または truths と可算名詞化されると「真実」「事実」と具体的になる。
* ポイント * 先頭の that は接続詞
that: 接続詞「…ということ」
so: あれほど。as 以下の具体例が分かり切ったことなので省略されている。
be fond of: 好む。like より強い。
should: …するなんて(感情を示す)
cease to hear<cease to do: 次第に…しなくなる
too cruel to be true: 「悲惨すぎて本当と思えない」「本当とは思えぬほど悲惨だ」
@ 非制限用法: , who was … , で、前のカンマは非制限用法(「ベートーベンという人は…であったのだが」)のしるし。後のカンマは who 節終了のしるし。二つ合わせて挿入のしるしと考えてもよい。 A 主部の構成: Beethoven (S) should cease (V) to hear (O)
cease は他動詞、to hear は to 不定詞の名詞用法
〇 感情の should: 主節内の感情・判断の形容詞に呼応し、that 節内で、驚き・意外・怒りなどの気持ちを表す。訳は「…するなど[した]とは」 本文は It seemed too cruel to be true that Beethoven, who was so passionately fond of music, should have ceased(should ceaseでも意味は同じ)to hear. の変形。
例: It's odd that he shouldn't know about it.
彼がそれを知らないなんてヘンだ
問題とする事象をクローズアップするのであって、事実かどうかは言っていない(流れから、事実と感じられる場合が多いが)。 事実であるのをはっきりさせるには、直説法を用いる。
cf. It's odd that you don't know about it.
彼がそれを知らないのはヘンだ
* ポイント * 主部が3つの that 節の並列
author: 造物主
existence: 存在物
property: (1) 財産 (2) 所有物 (3) 特性、のうち (2)
@ God:
不可算名詞で語頭が大文字の God は、通例キリスト教の神を示す。God を受ける人称代名詞は He, His, Him. A that 節の並列:
T, U, and Vと節が並列。and は列挙終了のしるしで、筆者が言いたいのはこの三つだけを含意する。
〇 our time and talent: そのまま「我々の時間と才能」とすると、何か落ち着かない。英語は概して一語一語の意味範囲が広いのに対し、日本語では意味が狭まるからだ。ここは our とあることから、「我々に神より与えられた、いま生きているこの時間」「我々に神より与えられ、生まれつき持っている才能」と理解する。それを日本語ではどう言ったらよいか考えるのが翻訳。例えば「我々に与えられている時間も能力も」。
* ポイント * whether 〜 (or not) と読む
either 〜 or ―: 〜か―かどちらか
comparable: …と比較に値する
obscure: (1) あいまいな (2) 目立たぬ、のうち (1)
relatively: 比較的に
little: 準否定語「ほとんど…ない」
certain: (1) 確かな (2) 確実な、のうち (1)
@ whether で始まる文: Whether で始まる主部を it で置き換えて読んでみる。
It is difficult to determine whether either the material or the intellectual changes 〜
either A or B は、AかBかどちらかの選択。これをまるごとで α と示す。 whether には、α or not が隠れている。つまり α であるのかないのかの選択。
αであれば、A もしくは B(がある) 以上より次の四つの可能性が述べられているのが分かる。
・物質的変化が国民性の変化に影響を与えた
・精神的変化が国民性の変化に影響を与えた
・どちらも国民性の変化に影響を与えていない
・どちらも国民性の変化に影響を与えた
これが語法的な分析だが、文の流れからみれば「どちらも、少なくともどちらかは…与えた」感じであり、力点は、「与えたか」どうかよりも「決定するのがむずかしい」のほうだ。 それ以上はどう訳すかの問題になる。 A comparable の比較の対象: 「…と比較に値する」「…に匹敵する」。ここは「the material changes または the intellectual changes に見合った」の意。 B those の指すもの: =forces C that both の both:
a national character と an individual character
過去半世紀の物質的変化または精神的変化のいずれにせよ、その変化に応じてアメリカの国民性を変えたかどうかを決定することはむずかしい。国民性を作り上げる力は、個人の性格を作り上げる力と同じくらい分かりにくいものである。しかし、どちらの性格も早く形成され、比較的わずかしか変化しないことはほとんど確かと言ってよい。
@ 訳語のニュアンス: obscure を「目だたぬ」とすると「影が薄い」ように感じられる。ここは「分かりにくい」という意味で使われているのだから、「曖昧な」「不明瞭な」の訳語を充てるのがよい。 certain では「確実」「確か」の訳語のどちらでも当てはまる場合が多いが、ここで「確実」を充てると「確度」ととられてしまう。「間違いない」の意味なので「確か」をとる。 A 「比較的」でない relatively:
比較の対象が見える場合には「比較的」でよいが、そうでない時は「かなり」とした方がよい。
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