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『英文解釈教室・改訂版』ノート



Chapter 2 目的補語 @ 第五文型の意味

 

2.1.1

 

 

* ポイント *

consider は動的動詞か状態動詞か

 

語釈:

consider: じっくり考える・検討する
likes and dislikes: 好き嫌い、好悪

 

検討:

○ consider

(1) SVO で動的動詞(思う、考える)

例: I have carefully considered the possibility of running for mayor.
   (私は市長に立候補する可能性について慎重に考えた)

(2) SVOC で状態動詞(思っている、考えている)

例: They considered me a reliable source.
   (彼らは私のことを信頼できる情報源だと思っていた

本文は (2)

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

@ 第五文型の C になれるのは名詞・形容詞に限られず、他の品詞でも可。O=C ととれるかどうかで判断する

例: I have friends over.

 (友達を家へ呼ぶ)
  SVOC. 副詞 over は補語で「家へ」の意味

A 補語か修飾語か、どちらともとれる場合がある

例: We found her lying face down.

 (彼女がうつぶせになっているのを発見した)
  SVOC. lying は動名詞で補語

 (うつぶせになっている彼女を発見した)
  SVOM. lying は分詞形容詞で修飾語

B 前置詞、接続詞が間に入ると意味がいわば「遠くなる」

次の例文で訳は同じ(私は彼が正直だと思った)になるがニュアンスが異なる。

 I thought him honest. 直接体験、直観
 I thought him to be honest. 直接体験、客観
 I thought that he was honest. 間接体験、伝聞

 

2.1.2

 

 

* ポイント *

感情の言葉と to 不定詞の関係に着目

 

語釈:

discover: (事実が)分かる
to discover: 「分かって」。主文の感情の言葉(ここでは surprised)に対し、to 不定詞がその原因・根拠を示す
fellow: (形容詞的に)同宿する
you were to be 〜 : 〜する予定

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

2.1.3

 

 

* ポイント *

何に対して the worse なのか

 

語釈:

various: 同じ種類に属するもので出方・現れ方が異なる、の意
cf. different 種類が異なる
find: (体験して)分かる>気づく、気がする、思う
the: 指示副詞「その(seeing them)分だけ」
for: 理由「…ということで」

 

検討:

@ I never found:

=I did not ever find … =I did not find at any time … (過去のいついかなる時も…ない)。現在完了の代用。

A found myself*find myself:

本文では found と myself を切って読まねばならないが、イディオムとしては「(気がつくと)…にいる、ある」で be 動詞に近くなる。

例: He found himself in the dark.
   (気がつくと彼は暗闇の中にいた)

 

訳例:

私はヨーロッパのさまざまな場所を見てきたが、それを見たことでダメになったことはなく、かえってよくなってきた。

 

さらに一歩:

〇 SVOC には三つの型がある。

(1) SVOC She made him happy.
    (彼女は彼を幸せにした)
    一番多い。S が O を C にする

(2) SV・OC She ran her shoelace undone.
    (彼女は走って靴ひもがほどけた)
    彼女は走った → その結果、靴ひもはほどけた

(3) SVO・OC She hammered the metal flat.
    (彼女は金属を叩いて平らにした)
    彼女は金属を叩いた → その結果、金属は平らになった

 

2.1.4

 

 

* ポイント *

hear は知覚動詞

 

語釈:

hear: 聞こえる
cf. hear that …とのうわさを聞く

 

検討:

〇 hear:

知覚・感覚動詞で、自分の意志は働かせられない「ひとりでに聞こえる」

 

訳例:

私には彼女が歌を唄うのが聞こえた。

 

さらに一歩: なし

 

2.1.5

 

 

* ポイント *

非人称構文は、主語を原因・条件・譲歩などに適宜訳す

 

語釈:

differing: 異なる(different より硬い)

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

2.1.6

 

 

* ポイント *

同じ SVOC だが微妙に違う

 

語釈:

hoarse: 涸れる

 

検討:

(a) は SVO・OC、(b) は SV・OC の型

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

2.1 例題

 

 

* ポイント *

事実から語義を狭める

 

語釈:

bank: 土手、堤防、岸辺、河原、岸と土手の間、川沿いの土地、など多義
strip: 断片、細長い土地、など多義
great: ここでは副詞「とても」
much: 次の the same に掛かり意味に制限を加える「ほとんど」
cf. just「まさしく」
besides: …に加え
foodcrops: 食用作物、穀物
flax: 亜麻
thread: (麻)糸
spun*spin: 紡ぐ
wove*weave: 編む
linen: 亜麻布
dye: 染料

 

検討:

@ besides:

ここでは前置詞だが、副詞で接続詞的に使われ「さらに」の意味になることもある。

A the banks と the small strip:

the banks は「ナイル河谷」。the small strip は「平野部で川と直角に短冊状に所有された土地」

B also:

前にも後にも掛かりうる。「彼らもまた」「彼らは亜麻を育てもした」「彼らは亜麻も育てた」。文脈から三番目の訳を採る。

 

訳例:

エジプトの文明は地上最古の文明のひとつである。人々はナイル河谷に、そして平野部では川と直角に土地を区分所有して住んでいた。この肥沃な土地を耕して、そこで現在でも栽培されているのとほとんど変わらない多くの作物を栽培した。食用の作物のほかに、彼らは亜麻を作り、それを紡いだ糸で衣服を自分で着るために織り、作り方を習得した染料で、それを多くの美しい色に染めた。

 

さらに一歩:

エジプトの穀物収穫量はナイル河谷が 2/3、河口デルタが 1/3。エジプト史を紐解けば the banks が固有名詞化しナイル河谷を示すのが分かる。the small strip は、ナイル河氾濫のリスクを等分にするための生活の知恵から生まれたもの。翻訳においては、調べる労を惜しんではならない。

 

 

Chapter 2 目的補語 A 目的補語の形態

 

 

2.2.1

 

 

* ポイント *

〜ing が名詞の前か後かでニュアンスが変わる

 

語釈:

implore: 懇願する
bother: 悩ます。bother to do で「わざわざ…する」
deaf: 耳を傾けない
entreaties*entreaty: 懇願
sincere: 心からの

 

検討:

〇 departing friend:

現在分詞形の形容詞が前から名詞を修飾する場合は、永遠的・分類的。「旅立ち友人」と普通名詞化した感じ。後ろから修飾する場合は一時的・個別的

cf. friends departing from the station
  (駅から出発する友人)

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

〇 主観と客観:

We thought him a gentleman. (直感で思った)
We thought him to be a gentleman. (いろいろ実例などから理解し思った)

to be が入ると客観的になる。目的補語になれるのは名詞・形容詞とそれに相当する語句、といわれる。「相当する」があいまいで、不定詞・分詞・前置詞句・副詞句も含まれるが、取り方次第で補語としたり修飾語としたり、見解が分かれる場合がでてくる

 

2.2.2

 

 

* ポイント *

enable+人+to do は、結果を含意

 

語釈:

enable+人+to do: 人が to do することを可能にする
make the best of: 最大限利用する
inborn: 生来の

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

〇 動詞+to 不定詞が結果を含意する例:

persuade: She persuaded him to go to law school.
  (彼女は彼を説得して法科大学院に行かせた)
force: The teacher forced his pupils to be quiet.
  (先生は強制的に生徒たちを静かにさせた)
drive: Sickness drove him to commit suicide.
  (病気を苦にして彼は自殺した)
entice: entice a friend to quit school
  (友達をそそのかして退学させる)
*そう多くはないのでその都度覚えるとよい

 

2.2.3

 

 

* ポイント *

whole nations の意味

 

語釈:

cause+目的語+to do: 目的語が to do することを引き起こす
whole nations: 諸国ことごとく
 cf. the whole nation 国中

 

検討: なし

 

訳例:

昔は空に彗星が出現すると、諸国・諸国民が恐れおののいた。

 

さらに一歩:

whole nations = the whole of the nations = all the nations
×the whole nations (この言い方はない)

例: Whole forests (=Entire areas of forest) in North Africa were destroyed during the Roman times.
  (北アフリカの森林の全領域がローマ時代に破壊された)

 

2.2.4

 

 

* ポイント *

allow+人+to do の形

 

語釈:

allow: 許す
scepticism: 懐疑主義
let: させる

 

検討:

〇 使役動詞の違い:

(1) allow は許可 (2) let は放任 (3) get (O to do) は説得 (4) make は強制 (5) have は利益・被害

 例:
(1) You are allowed to go. (行ってもよい)
(2) Let me have a look at that―I think its mine. (それを私に見せてちょうだい。私のだと思うわ)
(3) We'll get him to go with me. (彼を説得して同行してもらいましょう)
(4) make a horse jump a barrier. (馬に障害を越させる)
(5) I have the house painted. (家にペンキを塗ってもらった) 利益
  I had my watch stolen. (私は時計を盗まれた) 被害

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

2.2.5

 

 

* ポイント *

have+目的語+原形不定詞

 

語釈:

find out: 正体を見抜く、発見する;案出する、解答を出す、など多義。「解答を出す」
for yourself*for oneself: 自分自身のために独力で
having (*have) a parents or a teacher tell you: 先生や両親に教えてもらう

 

検討:

〇 have+人+do:

(1) 対価を払って、させる
例: You should have a mechanic look at this car before you buy it.
  (君はこの車を買う前に自動車工に見てもらうべきだ)

(2) 目上の人が目下に、させる
例: I'll have someone check on it right away.
  (それはすぐ誰かに確認させます)

*本文は「あろうことか」という気持ちが含まれ、(2) の破格

 

訳例:

親や先生に教えてもらうのでなく、自分で物事を解決しなさい。

 

さらに一歩: なし

 

2.2 例題(1)

 

 

* ポイント *

what は the thing(s) which に置き換えると分かりやすい

 

語釈:

keen: 鋭敏な→抜け目のない
a nation: 国民、民族、国家、のうち国民
intend: =mean
an insult: 可算名詞化で「侮辱の言葉」
true: あてはまる
when: 場面。前後を比較・対照させる「だが」。
cf. while は、状況
little of: 全体が副詞的「やや」
例: He is something of a musician. ある程度、やや、ちゃんとした
so 〜 that ― : ―なほど〜
readily: たやすく
bring himself (*oneself) to do: do する気にさせる。
例: I cannot bring myself to do it.
   (それをする気にならない)
pass by: 傍らを過ぎる
will: 「しようとする」意志未来
seize: 掴み取る
in the course of: …のうちに
generous motives: 高潔な動機

 

検討:

@ a keen eye:

代表単数。抽象的な意味をあらわす

A 語修飾と文修飾:

本文は「軽蔑的な呼び方をした」でなく、「軽蔑して呼んだ」のだから文修飾。

B a nation of shopkeepers の of は、性質・特徴

例: a person of courage (勇気ある人)
 the grace of a dancer (ダンサーらしい優美さ)

C 否定語が主語となって文頭にくる表現:

no = not any と考え、便宜的に Any Englishman cannot … と読み替えると理解しやすい

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

@ when:

接続詞として=but 一方;なのに
関係副詞として=in which 対照、譲歩を導く

ここは接続詞、関係副詞のどちらにもとれる

A 意味の差:

He was gone. (状態に力点:行ってしまって今いない)
≒He has gone. (行為に力点:行ってしまった)

B 文修飾と語修飾のおおまかな見分け方

(1) 意味から判断:

Try to smile naturally. (自然に笑ってみてください)語修飾
He was naturally very shocked at the news. (彼は明らかに憤慨していた)文修飾

(2) 文修飾ととれるもの:

 文頭に来る。
例: Fortunately(,) he escaped the danger.
  (幸いにも彼は危険を逃れた)

 話者の判断・感情が感じられる。
例: He naturally wanted to know the reason.
  (彼は当然ながらその理由を知りたがった)

(3) 置かれた位置により判断:

Excess, it seems to me, may justly be praised if we do not praise it too excess. (過激な行動は褒め過ぎさえしなければ、褒められて然るべきだと私には思える)文修飾
be justly praised (正当に褒める)語修飾
be justly punished (当然の罰を受ける)語修飾

(4) 言い換えてみる:

 It is+形容詞に言い換えられる。文修飾
 She was apparently satisfied with the result.
 (彼女は一見したところ、その結果に満足していた)
 =It was apparent that she was satisfied with the result.

 in 〜 way に言い換えられる。語修飾
 He did not die happily. =He did not die in a happy way.

 

 

2.2.6

 

 

* ポイント *

and が結ぶもの

 

語釈:

prevailing: (形)行き渡っている
 cf. That custom still prevails. 状態動詞 (その習慣は今も行われている)

 

検討:

〇 a man travels:

travels は自動詞、and finds 〜 prevailing の finds は他動詞

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

2.2.7

 

 

* ポイント *

代名詞 it が指すもの

 

語釈:

glory: 誇り、誉れ
though: (1) だが (2) …ではあるが (3)…にしても、のうち (1)

 

検討:

〇 it の指すもの:

it は文中において問題となっていることを指す。ここでは前節全体(Poetry is the greatest glory of our nation)。

 

訳例:

歴史書に記されることはめったにないが、詩こそわが国の最大の栄光である。

 

さらに一歩:

〇 it は poetry を指せないか:

文法的には、poetry とも Poetry is the greatest glory of our nation ともとれる。文の論理から「詩は我が国が誇るべきものだが、歴史書では詩に触れられていない」より「詩は我が国が誇るべきものだが、歴史書ではそのことに触れられていない」ととるほうが自然だろう。

 

2.2.8

 

 

* ポイント *

It 〜 for ― to do の構文

 

語釈:

take: 受ける

 

検討:

〇 Father:

冠詞がなく語頭が大文字なのは自分の父親で固有名詞化しているから

〇 had him taught*have him taught:

have+O+p.p. の形。O と p.p. の間に主述の関係がある =He is taught.

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

〇 非文のわけ:

×A thing was happened to me. では happen が自動詞なので受身にできない

 

2.2.9

 

 

* ポイント *

make+O+p.p.

 

語釈: なし

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

2.2.10

 

 

* ポイント *

render+O+adj.

 

語釈:

utterance: 発言
of interest: =interesting
of value: =valuable

 

検討:

〇 of+抽象名詞=形容詞化

=their utterance is unusually interesting and valuable

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

2.2.11

 

 

* ポイント *

once は「かつて」か「いちどか」

 

語釈:

president: (米)学長、総長 (英)chancellor 総長、vice-chancellor 学長
once: 動詞の前で「かつて」文頭・文末で「一度」

 

検討:

〇 nothing useful:

不定な物(nothing、something、anything など)に対しては形容詞は必ず後ろから修飾する。

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

〇 He accepted this as true.:

SVOC または SVOM。as true を補語ととるか修飾語ととるかの見方の差。

cf. They looked on him as a great scholar.
  SVOC. look on=自動詞+前置詞が他動詞化。
look on 〜 as ― の連語になっていて結び付きが強い

 

2.2.12

 

 

* ポイント *

what = the thing which と読む

 

語釈:

what: = the thing which
wish to do: はかない望み「できれば…したい」

 

検討:

〇 関係詞の前後を二文に分解すると分かりやすい

He could not make himself the thing.
He had wished to be the thing.

*代入する先行詞 the thing を something としてもよい

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

2.2 例題(2)

 

 

* ポイント *

否定形の強調構文をうまく訳す

 

語釈:

think of 〜 as ―: 〜を―と考える
this great invention of the sewing machine: ミシンというこの偉大な機械。of は同格
being of use*be of use: 役に立つ
It was not this that made the sewing machine … : 否定形の強調構文
of such value: =so valuable
come from: 〜から来る。from は由来・起因を示す
stores: デパート。日本のデパートほど気取ったところはないから「スーパー」としてもよい
ready-made: 既成の。ハイフンは造語のしるし

 

検討:

〇 this の意味するもの:

being of use chiefly in the home (ミシンが家庭で役に立つこと → 家庭用のものであること)

 

訳例:

われわれはミシンというこの偉大な発明品を家庭で役に立つものと考えがちである。しかしながら、このことがミシンを人類の進歩にこれほど価値あるものにしたのではなかった。ミシンの最大の価値はそれが工場で使用されることに基づく。女性は自分と夫と子供がデパートに行き自分たちの身に付けるものをすべて既成品で買えるようになったとき、自由になったのである。

 

さらに一歩:

〇 否定形の強調構文:

it, was, that を消して語順を整えると次の文(略形)ができる。

This didn't make the machine of value.

だがこれを訳すと「このことはミシンを価値あるものにしなかった」で原文の含みが消えてしまう。it = the fact, that は it に掛かる主格の関係代名詞、not that には対照される but that が後に予感される、ととって以下のように読み替えるのがよいだろう(理屈付けなので他の説明もあり得る)。

The fact is not that this made the machine of value.
(実のところ、このことがミシンを価値あるものにしたのではない)

 

2.2 例題(3)

 



 

* ポイント *

中間話法を正しく掴む

 

語釈:

easiest: 人生の時期を比較しているので、the が付かない
inquiring minds: 問いかける精神
self-reliant: 独立独歩の
so: 比較の対象が見られず very の意味にとる
have had their confidence shaken: have+目的語+p.p. 被害「自信をこなごなにされる」
failures: 「失敗者」「落伍者」不可算名詞の可算名詞化
embarrassment: 気づまり
remark: 発言、意見
do mathematics: do は一般動詞で「対処する」
fail to: (1) …しない =do not (2) …できない =cannot、ここはどちらも可
expect to: 「(よいことも悪いことも)見込む」

 

検討:

@ the のつく比較とつかない比較:

例: The village is most beautiful in spring.
 (その村は春が一番美しい)同じものの中での状態の比較

 The village is the most beautiful in the country.
 (国中でその村が一番美しい)他のものとの比較

A only:

強調の副詞で not to 以下と呼応する。「…して初めて」「…してこそ」「…自体」

B lead 〜 to do:

「〜を do に導く」

例: This street leads you to the station.
  (この通りを行けば駅につきます)
  cf. lead to N 「N に繋がる」

例: Poor sanitation can lead to the spread of diseases.
  (劣悪な衛生状態は病気の蔓延に繋がる)

 

訳例: 略

数学は小さいうちに教えるのが一番だ。子供は好奇心旺盛で、自分なりに物事を解決したがり、自分の力で物事を理解しようとするからだ。

大人に教えるのははるかに困難だ。多くの大人は悪しき教育によって自信を打ち砕かれている。大人は自分たちが数学の失敗者だと感じているのだが、誰も自分たちが失敗しそうなことをやってみるのには尻込みするものである。この気づまり感が大人に次のような発言をさせることになる「数学だって? だめだよ、学校では全然できなかった。誰だってできなかったさ」。この発言の目的は自己弁護である。自分はしくじった、でも自分が悪いのではない。いいかい、皆失敗するんだ。数学なんかできなくて初めて人間といえるのさ。両親はときどき子供たちにこんな風に話すのだが、自分の名誉を保とうとすることで、自分の子供もまず同じようにして失敗するよう仕向けていることになる。というのは、失敗を見込む人は失敗するものだからである。

 

さらに一歩:

〇 中間話法

抽出話法、自由話法ともいう。

(1) 直接話法の形であるクオテーション・マークも、said、remark といった発話のしるしもない
(2) 時制は直接話法に準じる

のが原則。フランスのフロベールが心理描写に導入したのが初めともいわれる。

この場合は、(2) により中間話法であるのがはっきりする(自由直接話法)。

だが時制も間接話法に準ずることがあり、その場合、叙述にとるか中間話法(自由間接話法)にとるかは読み手の判断に委ねられる。

 

 

〈著者紹介〉

柴田 耕太郎(しばた こうたろう)

 早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。
 岩波書店勤務、フランス留学を経、大手劇団文芸部所属など演劇活動。
 翻訳業界で約40年。(株)DHC 取締役、(株)アイディ代表取締役を経、現在翻訳教育家。
 獨協大学外国語学部・東京女子大学非常勤講師。
 『英文翻訳テクニック』(ちくま新書)など著訳書十数冊。
 演劇・映像・出版・産業各分野で実績のある翻訳実践者。
 翻訳ベンチャー(株)アイディを自社ビルを有する中堅企業に育てた翻訳経営者。
 出版翻訳者を40人以上デビューさせた翻訳教育者。
 アイディ『英文教室』主宰。

 


 

 

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