研究社
研究社 会社案内 採用情報 サイトマップ 書店様向け 教育現場向け

研究社 WEB マガジン Lingua リンガ


読んで味わう ドイツ語文法

はじめに

 みなさん、こんにちは。これから約40回にわたって、「読んで味わう ドイツ語文法」と題して、ドイツ語やドイツ語圏の文化についてお話ししていきます。

 「読んで味わう」というと非常に格調高い感じがしますが、本当のところは「脱線中心、これで本当に覚えられるのかドイツ語文法」でしょうか。文法をかっちり網羅するというよりは、大切な部分を中心に据えてドイツ語の名言などを使って説明する、かつそうした言葉の背景についてお話しする、というスタイルで進めます。

 私は、もともとは文学研究が専門で、ドイツ語圏の文化(文学、哲学、音楽など)を研究してきました。中心は主に「ゲーテ時代」と呼ばれる約200年前の時代で、文学ではゲーテ(Goethe)やシラー(Schiller)、哲学ではカント(Kant)やヘーゲル(Hegel)、音楽ではモーツァルト(Mozart)やベートーヴェン(Beethoven)などが活躍した、「人類の星の時間」(作家シュテファン・ツヴァイクの言葉)とでも呼びたいような、ドイツ文化が輝きを放った時代でした。そうしたドイツ語圏の文化を作ってきた過去から現在に至る人々の言葉を紹介しながら、ドイツ語を学ぶ楽しさをお伝えできればと考えています。

 なお、ドイツ語は主にドイツ、オーストリア、スイスで話されており、他にも北イタリアの一部やフランスのアルザス地方などにもドイツ語話者はいます。話者数は日本語とほぼ同じ1億人強だとされています。実はEUでもっとも話者数が多いのは、英語でもフランス語でもなく、ドイツ語なのです。また東欧圏では伝統的にドイツ語が学ばれ、話されてきたので、EUにおいてドイツ語は通用度の高い言語です。私がお話しするのはそうした「ドイツ語圏」の文化についてになります。それでも、そのたびに「ドイツ語圏」というのは煩雑となることがあるので、ときには「ドイツ」とだけ表記することもあるのをご了解ください。

 では、本格的にドイツ語の話を進めましょう。



第1課


矢羽々 崇(やはば・たかし) ■ 執筆者プロフィール

1962年岩手県盛岡市生まれ。ミュンヘン大学マギスター(修士)、上智大学博士(文学)取得。獨協大学外国語学部ドイツ語学科教授。専門は近現代ドイツ文学(主に叙情詩)。著書は、『「歓喜に寄せて」の物語――シラーの詩とベートーヴェンの「第九」』(2007年)ほか多数。2000~2002年度および2007年度に「ラジオドイツ語講座」講師、2008~2010年度「テレビでドイツ語」講師を担当。






▲ページトップに戻る

複写について プライバシーポリシー お問い合わせ

Copyright(C)Kenkyusha Co., Ltd. All Rights Reserved.