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『英文解釈教室』ノート
35


Chapter 15 挿入の諸形式 ② 節の挿入――what と as

 

 

15.2.1

 

 

* ポイント *

what を the thing(s) which に置き換える。

語釈:

cannot all: すべてが … なわけではない
can: … しうる

検討:

① what is more important for us, we can all be good men:

一文にすると、

The thing which is more important for us than that we can all be great men is that we can all be good men.

② cannot all:

not+頻度・程度を表わす副詞=部分否定

We cannot all be great men.
我々皆が偉人であるわけにはゆかない

頻度を表わす副詞+not=全面否定

We all cannot be great men.
我々は皆偉人ではあり得ない

③ can:

(1) 「できる」能力 (2) 「し得る」論理的可能性

ここでは (2)。

訳例: 略
さらに一歩:

○ we can all be good men:

この all は副詞で、we と同格。

we all となっていれば、all は同格の名詞。

 

15.2.2

 

 

* ポイント *

what 以下カンマまでは、rich に掛かる。

語釈: なし
検討:

and 以下の文をしつこく分解すれば、The thing which is the best of all is rich.

訳例: 略
さらに一歩: なし

 

15.2.3

 

 

* ポイント *

時制に注意。

語釈:

pacifist: 平和主義者
reluctant: 嫌々ながらの
population: (1) 人口 (2) 人民、のうち (2)
despotic: 専制的な

検討:

○ I had imagined:

挿入されている (a) most pacifists contended の過去形に対し、(b) I had imagined は過去完了なので (b) 「私は元から考えていた」 (a) 「平和主義者はあとから主張した」の順番を訳に出さねばならない。

訳例:

たいていの平和主義者も主張したことだが、戦争は専制的な政府がいやがる国民に押しつけるものだと、私は考えていた。

さらに一歩: なし

 

15.2.4

 

 

* ポイント *

which の先行詞部分が後にある

語釈:

average: 平均的
cf. common 普通の(noble に対し)、normal 正常な(abnormal に対し)

検討: なし
訳例:

一般の国民がエネルギーや金を節約する、または、意味は同じことであるが賢明な使い方をする国は、常に繁栄を続けることになろう。

さらに一歩: なし

 

15.2.5

 

 

* ポイント *

as は主格の関係代名詞

語釈: なし
検討:

○ as was usual with him, …:

=He began to reproach himself for what he had done, as (=which) was usual with him.

訳例: 略
さらに一歩: なし

 

15.2.6

 

 

* ポイント *

先行詞を見つける。

語釈:

prehistoric: 先史時代の
reaction: 反応

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩:

○ as prehistoric caves remind us:

この as は関係代名詞とも接続詞ともとれる。

以下を復元し、一文にすると次の二つが考えられるため。

remind us that S V C that は接続詞 ↔ remind us of it that S V C that は関係代名詞

 

15.2.7

 

 

* ポイント *

否定の範囲に注意  

語釈:

say: 伝える
means: (1) 手段(単・複扱い) (2) 財産(複数で)、のうち (1)
demonstrating: … の証拠となる、を明らかに示す

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩:

○ … , as there is in science, … :

not (no) と as の関係に注意。

(1) as ― , not 〜
順接「― のように(と同じく)〜 ない」
例: As I thought, geese do not fly,

(2) not 〜 , as ― , …
逆接「― のようには 〜 ない」
例: Geese do not, as I thought, fly.

(3) not 〜 , as ―
文脈依拠「― のようには 〜 ない」または「― のように(と同じく)〜 ない」
例: Geese do not fly, as I thought.

 

15.2.8

 

 

* ポイント *

挿入節内が否定形

語釈:

perception: 知覚

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩: なし

 

15.2.9

 

 

* ポイント *

will の意味

語釈: なし
検討:

① If this be your aim:

be は仮定法現在。現在または未来の不確実な仮定。

② as it should be:

義務でなく、当然の should。

③ will:

単純未来、指示、推量のどれともとれる。

訳例: 略
さらに一歩: なし

 

15.2.10

 

 

* ポイント *

man to be の後の省略語

語釈:

jest: 冗談
possessions: 不可算名詞の可算名詞化「所有物」

検討:

① quite a:

(1) +段階的名詞 (c) 「かなりの」

例: He's quite a nuisance.
彼はなかなかいやなやつだ

(2) +非段階的名詞「実際に、ほんとうに」

例: That was quite a party.
そりゃ本当に素晴らしいパーティーだった

訳例: 略
さらに一歩: なし

 

15.2.11

 

 

* ポイント *

so は何か。

語釈:

wasp: スズメバチ

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩:

○ so:

副詞、接続詞のどちらともとれる。

 

15.2 例題(1)

 

 

* ポイント *

否定の範囲

語釈:

attraction: (c) 魅惑物
inexhaustibility: 無限性
miss: 見落とす

検討:

○ not less:

≧「優るとも劣らぬ」

訳例: 略
さらに一歩:

○ not the least:

(1) 少しも … ない (2) とても … だ。真逆の意味になるので注意。ここは (2)。

誤訳例:

… Beauty creates as many Woes as it bestows Advantages (not the least of which is the Envy of other Women) …
… 美貌は利を授けてくれるのと同じくらい(このなかにはほかの女の羨望はこれぽっちもはいっていません)、多くの災いを惹き起こす …

*訳文は (1) ととっているが、(2) が正しい。「羨望こそ最たるものです」。

 

15.2 例題(2)

 

 

* ポイント *

語義の選択

語釈:

career: (1) 経歴 (2) 生活手段、職業(専門的) (3) (職業での)出世、のうち (2)。
routine: ありふれた
enterprise: 進取の気性

検討:

○ hobbies > hobby:

気晴らし pastime(魚釣り、散歩など)でなく、趣味・道楽(切手収集・スポーツ・読書・音楽鑑賞など)で、職業以外の積極的・創造的活動をいう。

訳例:

… 。生涯の職業としては、彼はありふれた職についていて、その町の銀行の支配人であることに甘んじていた。…

さらに一歩: なし

 

 

〈著者紹介〉

柴田 耕太郎(しばた こうたろう)

 早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。
 岩波書店勤務、フランス留学を経、大手劇団文芸部所属など演劇活動。
 翻訳業界で約40年。(株)DHC 取締役、(株)アイディ代表取締役を経、現在翻訳教育家。
 獨協大学外国語学部・東京女子大学非常勤講師。
 『英文翻訳テクニック』(ちくま新書)など著訳書十数冊。
 演劇・映像・出版・産業各分野で実績のある翻訳実践者。
 翻訳ベンチャー(株)アイディを自社ビルを有する中堅企業に育てた翻訳経営者。
 出版翻訳者を40人以上デビューさせた翻訳教育者。
 アイディ『英文教室』主宰。

 


 

 

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