先日、ある出版社の編集者からのメールで「リアル書店」という言葉を初めて見た。これは「(空想の世界の書店に対して)現実に存在している書店」ではなく、「(オンライン書店に対して)実店舗の書店」だ。
「リアル書店」は「固定電話」と同様に、以前から存在している物事を指すために新しく造られた言葉だ。このような言葉をレトロニム(retronym)という。昔はすべてのギターがアコースティックだったので、エレキ・ギターの出現で初めて「アコースティック・ギター」というレトロニムが生まれた、などのように。
英語では「リアル書店」の意味で a real bookstore と言わなくもないが、 a brick-and-mortar bookstore (煉瓦とモルタルで作られた書店)や a physical bookstore のほうが広く使われているようだ。