日米と外国語日米抑留外交官交換に伴つて先般天津発帰国した一英字新聞社長 Charles Fox は出発前天津広播電台から放送した、其一節にいふ、『日本人中には英語及び英文をよく解する者多数ある関係上米英人をよく知り且つ米英両国の国情もよく知り得るに反し、英米人は日本語に関する限り全く無知と云ひ得る、真に日本人を理解し日本の実情を認識し得る者は僅々数人に過ぎない。某政治家曰く「他国を破らんと欲せば宜しくその国の国語を学ぶべし」と。これは通商その他競争関係においても同様である。相互の理解を欠くは紛争の本であり、一度紛争を生ずれば相手方を完全に理解する方が必ず有利の立場となる。日本の多数の政治家が米国の実情を熟知するに反し米国の政治家に日本の実情を認識する者少なきため現在の如き戦争の勃発を見たのであらう。』(1942年12月1日号)