* ポイント * どこに掛かるかは文法と文脈による。論理力と常識を働かす。
freshness: 新鮮さ>すがすがしさ、さわやかさ
bright: (日光などが)明るい
pleasant: (1) 気持ちのよい (2) 天気がよい、のうち (1)
had*have: (結果など)を生み出す
effect: (結果を引き起こす)効果;影響
on: 〜に対して(動作の対象を示す)
little: (1) (形・背丈・規模・数などが)小さい (2) 若い、年少の (3) 可愛い (4) (褒め、また貶しめ)つましい、チンケな
@ little: もともと多義で、文脈依拠の場合が多く、ここではどれと決めにくい。 cf. small 小柄な、年少の short 背の低い いろいろとれる場合は、文脈、字面(ひらがな・かたかな・漢字のバランス、長さ)、音の響き、説得性などを勘案して訳語を決める。 A a bright May morning: 形容詞+名詞1+名詞2では、形容詞は名詞2に掛かる。 名詞1は形容詞化し名詞2に掛かる。 例: a local drama festival 地元の演劇祭
この感じの良いパリ郊外の明るい5月の朝のすがすがしさが、その若い旅人の気持ちに影響を与えた。
@ pleasant: フランス語 plaisant から転化。 please(他動詞:人を喜ばす)+-ant(接尾辞で「…性質の」) A had*have: have の基本の意味は「持つ」だが、(1) 心に持つ (2) 体に持つ (3) 周辺に持つ (4) 状況として持つ、に分かれる。ここは (4)。 文型から見れば、(1) 状態動詞として S(人・事)が O(結果)を V 生じさせる (2) 動的動詞として S(人)が O (行為・行動)を V する、行う 例:have a pity 同情する、のうち (1)。 * 翻訳であれば、次のような意訳も可とされる * 心地よいパリ郊外、さわやかな5月の朝、若い旅人の気分はよかった。
* ポイント * 形が同じである分詞形容詞と動名詞の違いに注意
anyone: 肯定文での any は「程度の差はあれ、何でも・誰でも」の意。「全ての」と訳すとニュアンスが異なってしまう場合がある。
例: Anyone will do.「どなたでも(頭にいい人だろうと悪い人だろうと、お金のある人だろうとない人だろうと、とにかく誰でも)結構です」
may: may はやわらげ・個別的。ここは機械を買うお客に対しての文。can だと公的で居丈高な感じになる。
〇 having: 分詞形容詞 having は、形容詞的な意味「have している anyone」と動詞的な意味「anyone が have する」を併せ持つ。動名詞 assembling は、名詞的な意味「assemble すること」と動詞的な意味「(the machine)を assemble する」を併せ持つ。
* ポイント * 名詞句二つが副詞句的に、主節に掛かっている
one: 或る(a よりも強意的)
fine: 晴れた
great: すごい(口語的。形容詞だが副詞的)
ago: 今から…前に(副詞で後ろから years を制限。形容詞と考えてもよい)
met*meet: (1) 出くわす (2) 落ち合う、のうち (2)
together: 一緒に(meet を強調)
hall: (形・面積・容積が大きい)集会場
〇 副詞的目的格: 本文文頭のように、前置詞なしで副詞の働きをする名詞句のこと。 時間、空間、程度、仕方など熟語的に使われる場合に多い。
@ One fine spring morning, a great many years ago: 二つの修飾語句(名詞句、機能的には副詞句)がT, Uの形で並列し、以下の主文を修飾。 だが細かく見るとT<Uで場(この場合、時間)が広がっている。逆にT>Uと場(次の場合、空間)が狭まる場合もある。 例:High above the city, on a tall column, … 「町の上高く、のっぽの柱の上に」→「町の空高くそびえる柱の上に」。ここでは副詞句から前置詞句《機能的には副詞句》へとズーム・インし、ともに主文を修飾。 どちらになるかの決まりはない。 A a great many: この a は中世英語の名残で some の意。
* ポイント * カンマとカンマの間は「挿入」と考える
element: 元素
probably: 十中八九
remarkable: 注目すべき;珍しい、稀な
substance: 物質
@ 可能性の程度の順番(大から小へ): probably, possibly, maybe, perhaps A the Curies: 意味は「複数のキューリーさん」。文脈により「キューリー一族」「キューリー家の人々」「キューリー夫妻」などと訳し分ける。
〇 the element radium 普通は元素に the はつかない。ここは強調。
* ポイント * or は「選択」か「列挙」か
great: (1) 規模が大きい (2) 際立つ、のうち (2)
photography: 写真<写真撮影
resort: (1) 行楽地 (2) 盛り場、のうち (1)。ラテン語の「しげしげと通う」より
every other person: (1) 全てのほかの人 (2) 二人に一人、のうち (2)
@ hobby: 創造的で、一人で沈潜できるものについていう。 cf. pastime 気晴らし。fishing などは感じ方によって、hobby にも pastime にもなる。 A vacation resort: 「休暇を過ごすのに好適の地」 B every other person: every「…ごとに」other「もう一方の」の語義から、「二人に一人」の意味になる。 C or: A or B の形は (1) 「A か B どちらか」の選択 (2) 「A とか B の類」の列挙、どちらをとるかは文脈依拠。英語習いたての頃の癖で、すぐ (1) にしてしまいがち。二つのことだけが頭にあるか、類似のものも含意しているかで判断する。本文ではどちらも可。
今日のアメリカ人のきわだつ趣味は写真撮影である。保養地・行楽地で出会う人、都市の公園で散歩を楽しんでいる人の、2人に1人は、カメラを持っている。
@ 訳文: だらだらと長くなりがち、なくても済む言葉は省く。読点は意識・息継ぎの区切り、読者が読みやすいように打つ。 A encountered と seen の並列: 態を同じにして訳すと読みやすくなる。
* ポイント * 名詞構文(名詞句に文が凝縮されているもの)は、文に読み解くと分かりやすい。
sensitive: 感覚が鋭い
skillful: 熟達した
handling: 操作、取り扱い
dealing with*deal with: …を扱う>テーマとして…に向かい合う>…に対処する
insight into: …を見抜く力
@ 三つの in の並列: 細かく見ると、in everyday life(T)は抽象的で上位概念。以下の二つの in は具体的で下位概念(U、V)。「TすなわちU、V」と繋がる。さらに二つ目の writing 一つ(U)と、三つ目の conversing、making、drafting 三つの塊(V-@、A、B)が並列している。理屈からいえば writing が conversing 以下三つと同じ重さということになるが、writing letters はそれほど重要と思えず、リズムの関係でUとVを分けただけでと取りたい。訳例では並列されるもののレベルが同じになるよう、意味を広げたり狭めたりの操作を施している。概して英語の並列は甘く、そのまま日本語にすると不自然になることが多い。訳文の説得性につながるので工夫が必要。 A the life of man: life だけで「人間の生活」の意味になるのが普通。ここでは「他ならぬ」とか「他の生物種と区別した」人間の生活を強調している。
社会生活で、文書を記すときでも、談話や政治演説や公式通知の起草をするときでも、気をつけてたくみに言葉を使うことが、文学への関心の基礎となる。文学は、こうした技巧と感受性を以て人間生活をより深く洞察するところから生まれるのである。
@ dealing with: 構文分析では動名詞と理解し、the same skill and sensitivity deals with … (「技術と感受性が…を取り扱う」)と読んだが、the same skill and sensitivity に後ろから掛かる分詞形容詞と取ることもできる(「…を取り扱う技術と感受性」)。 さらに、動名詞、分詞形容詞は時制をあいまいにするので、「扱う」のか「扱っている」のかは、文脈依拠または訳者の判断になる。この場合は、習慣・反復・事実を言っているので「扱う」。 A a profounder insight: このあたり文に読み解くのが難しいが、あえて一例を示せば次のようになるだろう。
We try to have an insight into the life of man more profoundly by using the same skill and sensitivity.
* ポイント * It is true 〜 , but ― の変形
left over*leave over:繰り延べる
within 〜 of ―:―から〜以内に
@ notion: 通例「考え方」という広めの意味だが、one で強く限定され「ある意見」。 A thought: 抽象名詞 thought「思考」が thoughts と可算名詞化し、具体的にイメージできるものに転化している。
19世紀から残っていて、今でも我々のものの見方に影響を及ぼしている意見の1つに、数年の間隔をおくだけで2度大戦争が起こることはありえないというのがある。確かに米国の南北戦争と普仏戦争はほとんど同時に起こったが、それは別の大陸で別の人々が戦ったのである。
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