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『英文解釈教室・改訂版』ノート



Chapter 4 what 節 @ What――関係 [疑問] 代名詞

 

 

4.1.1

 

 

* ポイント *

and が重ねられている

 

語釈:

made > make: S make O の形で「引き起こす」
lasting: 時間的に継続する
impression: よい印象

 

検討:

○ and の重ね:

並列は、1, 2, and 3 または 1, 2 and 3 とするのが普通。
ここでは各部分(1 と 2 と 3)が強調されている。

 

訳例:

子供の頃に見たり聞いたり学んだりしたことが、私のなかに何時までも消えない記憶として残っている。

 

さらに一歩:

@ what の品詞:

先行詞を含む関係代名詞=the thing(s) which

A made lasting impressions:

「永続する印象を与え」れば、今もあるのだから、現在形に訳すのが日本語としては自然だろう。過去を強調したいなら「永続する印象を与えた」で可。

 

4.1.2

 

 

* ポイント *

of は何の役割か

 

語釈: なし

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ the writing of short stories:

動名詞 writing は、of があると名詞的、of がないと動詞的に働く。
writing short stories(この場合 the はつかない)だと「短編小説を書くこと」、the writing of short stories は「短編小説の執筆」といった感じ。

 

4.1.3

 

 

* ポイント *

if は単なる仮定

 

語釈:

go along about: イディオム「用を済ませる」
business: 仕事
find out: 「謎を解く」 out は外に出す、の意の副詞

 

検討:

○ 条件節と帰結節:

If+現在形, 現在形 は単なる仮定。
If+過去形, would (could/should) は仮定法過去(現在の反実仮想)。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

4.1.4

 

 

* ポイント *

to do something の something が what に代わったと考える

 

語釈:

mean to do: …するつもりである

 

検討:

○ 一文にしてみる:

I mean to do something when I grow up.

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ do you think:

挿入節。主節の動詞が yes, no で答えられないものだと、疑問文が先頭に出る。

cf. Do you know what I mean to do when I grow up?

 

4.1.5

 

 

* ポイント *

information と formation が韻を踏んでいる

 

語釈:

make a distinction: 区別する

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

@ make a distinction:

=distinguish。漢語的(硬い)と和語的(軟らかい)の差。

A information と formation:

in- 中に、form 形づくる ⇒ 知らせる
日本語では「情報」と「形成」のように全く関連性が見られぬ語になるが、根は同じ。

 

4.1.6

 

 

* ポイント *

whatever=anything that と分解する

 

語釈:

only: 初めて、こそ、のみ(強調的に訳す)
adequately: 充分に、十分に

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ adequately:

ad- …のほうに、quate 等しい。「たっぷり」でなく「必要量を満たす」の意。

 

4.1.7

 

 

* ポイント *

whatever を分解する

 

語釈: なし

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

4.1 例題(1)

 

 

* ポイント *

and が結ぶものに注意

 

語釈:

sensible: 道理にかなった
to themselves > to oneself: (1) 自分自身が使うのに (2) 自分の心の中で、のうち (1)
alter: 一部を変える

 

検討:

@ there:

存在の there か  例: Where is there a hotel?
そこにの there か  例: Because it's there.

the priests は初出現でないので、後者ととるのがよいだろう。

cf. There were some priests.

A sensible:

ここは「賢い」ではまずい。英語の形容詞は多義で、日本語の形容詞は意味範囲が狭い。right and sensible は同義語反復。並列しておかしくない訳語を選ぶ。

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ be sure to do:

「確かだ」と考えているのは発話者。

cf. be sure of (that) 〜: 「確かだ」と考えているのは主語

 

4.1 例題(2)

 

 

* ポイント *

二つの for 以下が並列し、名詞に掛かっている

 

語釈:

dress: 身支度をととのえる
homecoming: 帰宅
greet: 迎える
happen to: たまたま … する
have on: 身に付けて。on は副詞
enough: 充足を示す。

 

検討:

○ for her children's and for her husband's homecoming:

ここは、for her children's and husband's homecoming としてもよい。

というか、そのほうが普通だが、二つのものを強調するため for を重ねている。

 

訳例: 略

夫と子供の帰宅に備えてきちんと身づくろいする主婦のほうが、たまたま着ているもののままでいいと思う主婦より、出迎えたとき喜ばれるに決まっている。

 

さらに一歩: なし

 

 

Chapter 4 what 節 A what 節の特殊構文

 

 

4.2.1

 

 

* ポイント *

how をどう訳す

 

語釈:

must be: … であらねばならない
how:
@ 「どのように … であるか」(接続詞的に働く疑問副詞)
A 「… である事の次第」=the way in which(先行詞付の関係副詞)
どちらともとれる。

 

検討:

@ 二文に分解する:

History must be the story of the way.
Things have come to be what they are in the way.

A what they are:

「それらが現に存在するところのもの」

文末にくる be 動詞は、存在を示す重い意味になる

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ must:

must+状態動詞 ⇒ … であるに違いない
must+動的動詞 ⇒ … しなければならない

が一般的だが、文脈により逆になることがある。
ここはこの二つの中間で「… せずにはおかない」(必然)

 

4.2.2

 

 

* ポイント *

once は接続詞

 

語釈:

once: 接続詞。「いったん … すると」
be blind to: 気づかなくて、見る目がなくて

 

検討: なし

 

訳例:

ひとたび世界の在るべき姿を考え始めると、今ある世界のことがよく分からなくなりがちだ。

 

さらに一歩: なし

 

4.2.3

 

 

* ポイント *

what は目的語の役割

 

語釈:

rebellion: 謀反、反乱;反抗
remote: 辺鄙な、辺境の

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

4.2.4

 

 

* ポイント *

what を the thing which で置き換える

 

語釈:

come to do: …するようになる

 

検討:

○ what has later come to be called a middle name was very rare:

「(のちに)ミドルネーム(と呼ばれるようになったもの)は稀であった」。

→「ミドルネームは稀だった」→「ミドルネームはめったになかった」→「ミドルネームを持つ人はめったにいなかった」が翻訳の思考過程。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

4.2.5

 

 

* ポイント *

what は be と繋がる

 

語釈:

differ from A to B: A と B の間で異なる

 

検討:

○ what以下を一文にしてみる:

People believe the duties of men and women to be something.

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

4.2.6

 

 

* ポイント *

in general は語修飾

 

語釈:

in general: 語修飾(前の名詞に掛かる)「N 一般」。「概して」は文修飾なので不可。
例: Peole in general dislike being criticized. 大抵の人は批評されるのを嫌う

 

検討:

○ most:

副詞の most が最上級なのか very の意味なのかは文脈依拠。ここは最上級ととるのがよさそう。

 

訳例:

日本で生まれ育った外国人の子供は、日本の食物一般が自分たちに一番必要なものと感じている。

 

さらに一歩: なし

 

4.2.7

 

 

* ポイント *

that と it に注意

 

語釈:

should: 必然を示す
amount to: … に達する ⇒ 結局 … になる ⇒ … に等しい ⇒ 目指す

 

検討:

○ that is what it amouts to:

原則: that は直前のこと、this は直前または直後のこと、it は文中において問題になっていることを指す。ここも原則通り。

that は、making intelligent conversation。
it は、Writing for the radio。

「(なぜなら基本的に)知的会話を交わすことが、ラジオのための書き物が達しようとするところのものだからである」が直訳。

 

訳例:

放送用の台本に書かれることばは、知的会話を交わす程度のものであるべきだ。知的会話のレベルこそ放送台本のひとつの目安だからである。

 

さらに一歩:

○ as easy as:

as と as の間の段階形容詞は、高いほうがくるのが普通(high, large, many, …)。知的会話を交わすのはそうた易いことではないが、難しさの程度を言いたいわけではないので、あえて easy を使っている。

 

4.2 例題(1)

 

 

* ポイント *

細かく見るのと、全体を見るのと、二つの視点で

 

語釈:

heart: 核心
mass: 集団、かたまり
bloodstream: 血流(比喩的に使われている)
age: (1) 時代 (2) 世代
class: (1) 階級 (2) 集団
leave: O を C の状態にして死ぬ

 

検討:

@ not A or B:

両者否定(「A でも B でもない」)。「A とか B ではない」は厳密には不可。

ここは「個性の見えない集団の一部でも人種的血脈の一例でもない」こと。

A 代名詞の指すもの:

This: 直前のこと。ここでは、具体的な the dream according to … of a racial bloodstream。
about it: it は今文中において問題になっている事。つまり、テーマである the dream at the heart of the free society。

B age と class:

one of the farmers との対比から age は「世代」、class は「集団」ととるのがよいだろう。

 

訳例:

自由社会の根底にある夢は、人間ひとり一人が尊重され、没個性の集団のごく一部とも民族の血脈の標本とも見なされることは決してないという夢である。夢について真剣に考えてみれば、これこそ誰もが自分のために望んでいるものである。我々はみな、自分がひとりの農民以上のもの、ある世代・集団の一員以上のものとなることを望んでいる。また自分が永遠に生きるものではないことは十分承知しているし、自分が不可欠の存在でないこともよく分かってはいる。それでも我々は生きている間、何か独自の貢献をすることで、世を去るときには世界を自分が生まれなかった場合と少しは違うものとすることを願い、そうすることに対して尊敬を受けたいと思うのである。

 

さらに一歩:

○ 国語の問題:

「冬の夜道を一人の男が歩いてゆく。激しい仕事をする人だ。その疲れ切った足取りがそっくりそれを表している。…」

小学校5年で習った詩の一節。設問がついていて、それとは何ですか、とあった。

十字以内で答えなさいなら「男の仕事が激しいこと」だし、二十字以内で答えなさいなら「夜道を歩く男が激しい仕事についていること」となるだろう。

「文中で問題になっていること」を指す it もこれと同じようなもの。

また this と it が混じっている時、指すものが解釈により別れることがある。これは、日本語で「これ」と「それ」が混在している際、どれを指すか迷うことがあるのと同じ。ことばである以上、正解は一つに限らぬこともあるのだ。どちらがより妥当か論理的な判断が求められる、という点で、英語といえど畢竟は国語の理解力に掛かっていると言えようか。

 

4.2 例題(2)

 

 

* ポイント *

論理の流れを掴む

 

語釈:

right: 適切な
obvious: 疑問の余地なく理解しやすい
no good: 無意味
for the simple reason that: =for no other reason that(単に … というだけの理由で)
acquired characters: 獲得形質
come to N: … に取り組む
referred to: … と呼ばれる
wrong: 不適切な → 質問自体が意味をなさない
indeed: それどころか
responsible: … の原因である

 

検討:

@ 指すもの:

answer to it: it は、how animals inherit …
the question: 同上

A forces or powers:

同義語反復。細かくいえば、force は実際に用いられるもの(腕力、武力)、power は一般的な力・能力

 

訳例:

科学上の問題においては、適切な質問をすることができるようでなければならない。動物は親の体験の結果をどのように引き継ぐのかを問うことは、かつては正当な質問と考えられ、莫大な時間と労力がその問題を解くことに向けられてきた。しかし、そのような問いをすること自体無益である。この種の獲得形質の遺伝そのものが存在しないからである。通常、基本的事実と呼ばれているようなことに取り組む場合は、解答不能の質問をしないようにするのはずっと難しくなる。それどころか、文明のあまり進んでいない人々の生活は「どのような魔力が原因で幸運不運は生ずるか」という、質問自体が間違っていることに答えようとすることに基づいているのが多いのである。

 

さらに一歩: なし

 

 

〈著者紹介〉

柴田 耕太郎(しばた こうたろう)

 早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。
 岩波書店勤務、フランス留学を経、大手劇団文芸部所属など演劇活動。
 翻訳業界で約40年。(株)DHC 取締役、(株)アイディ代表取締役を経、現在翻訳教育家。
 獨協大学外国語学部・東京女子大学非常勤講師。
 『英文翻訳テクニック』(ちくま新書)など著訳書十数冊。
 演劇・映像・出版・産業各分野で実績のある翻訳実践者。
 翻訳ベンチャー(株)アイディを自社ビルを有する中堅企業に育てた翻訳経営者。
 出版翻訳者を40人以上デビューさせた翻訳教育者。
 アイディ『英文教室』主宰。

 


 

 

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