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『英文解釈教室』ノート
12


Chapter 6 同格構文 @ H+A

 

 

6.1.1

 

 

* ポイント *

二つのカンマの意味

 

語釈:

noted: 著名な
cf. notorious 悪名高い
authority: 権威

 

検討:

○ 定義

あいまいな部分もある(本文も同格関係とも挿入ともとれる)が、一応次のように考える。

同格: いいかえ「即ち」
挿入: 説明
並列: 対等「また」

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

Dr. Angle, noted authority on Abraham Lincoln, arrived … で、あとのカンマは必須か:

ここのように同格語句の前後には必要。

Dr Angel, Mr Tomas arrived …

のように別人を区切るにはあとのカンマは不要。

② 何故 authority に the がないか:

authority は不可算名詞で「権威」。ここは本来可算名詞化されて the authority(権威者)となるところだが、前の名詞と同格を導く場合、the は不要。

③ 同じ同格でもニュアンスが異なる場合:

(1) Cynthia's daughter, Sarah, is a middlewife.
(2) Cynthia's daughter Sarah is a middlewife.

(1) シンシアの娘は、サラ一人きり。
(2) シンシアには複数娘がいるが、サラを強調したい。

 

6.1.2

 

 

* ポイント *

英単語の多義性に注意

 

語釈:

insect: (広義)虫 > (狭義)昆虫。ここは狭義。
enjoy: (1) 恵まれている(possess の上品ない言い方) (2) 持っている
例: enjoy ill health(体が弱い)
fame: 名声
glownworm: 蛍
animal: (広義)生物 > (狭義)動物(植物に対しての)。ここは狭義だが訳は「生物」のほうがよいだろう。
celebrate: 賛美する

 

検討: なし

 

訳例:

ホタルという、尾の先に提灯を灯して生の喜びを寿ぐ珍しい小さな生き物ほど、親しまれている昆虫は少ない。

 

さらに一歩: なし

 

6.1.3

 

 

* ポイント *

that の意味

 

語釈:

soft: (1) 柔らかい (2) 心地よい(意味の抽象化)、のうち (2)
air: (1) 空気 (2) 外気 (3) そよ風、のうち (2)

 

検討:

○ that の意味:

the の代用。指示性は強くない。

例: What is that noise? あの音は何ですか。

詳しく説明しなくて分かるものを指す。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.1.4

 

 

* ポイント *

コロンに注目

 

語釈:

quality: その人・そのものの本来の属性・特質
in abundance: =abundantly
art: (集合的に)芸術作品
attempt: 意図

 

検討:

○ must:

must+動的動詞は「… しなければならない」
must+状態動詞は「… にちがいない」

が一般的。あとは文脈から決める。ここは「… しなければない」

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.1.5

 

 

* ポイント *

of と or の並列に注意

 

語釈:

citizen: 共和国の国民
cf. subject (君主国の臣民)

 

検討:

○ who ever lived:

ever(=at any time)+状態動詞で、現在完了の代用。

 

訳例:

「私はアテネでもギリシアでもなく、世界の市民である」これは古代ギリシアの哲学者で、おそらく古今を通じ一番の賢者であったソクラテスの言葉である。

 

さらに一歩:

① not of Athens or Greece, but of the world:

of A or B で (1)「A または B の」(選択) (2)「A とか B の」(列挙・譲歩)。

not α but βで「αでなくβ」。

ここは Athens < Greece < the world と、場面が広がっているので (2)。

② 同格:

H=(A1=A2)の形。同じものに対する見る角度の違いが A1 と A2。

参考は H=A1+A2 の形。つまり H の内容を示す。

 

6.1.6

 

 

* ポイント *

us と we はどう違う

 

語釈:

the human race: 人類。この race は生物の種類、の意味。
real: 外面と実質が一致する
teachable: (人がよく)教えを聞く

 

検討:

○ the rest of us:

us は the human race。we は the rest of us を指す。

 

訳例:

 

さらに一歩:

○ the rest of us の訳:

「我々の残り」か「残りの我々」か。

どちらに訳しても意味が変らぬ場合もあるが、ここは厳密には「我々(人類全体)の残り」。だが訳は the rest of を形容詞的につぎの us に掛け、かつ we と一緒にし「残りの我々(は何なのか)」とするほうが分かりやすいだろう。

 

6.1.7

 

 

* ポイント *

He は「彼」ではない

 

語釈:

He > he: 古い言い方で、名詞「人」
discern: (1) 認識する(recognize) (2) 識別する(find out)、のうち (1)。

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.1.8

 

 

* ポイント *

good の意味と掛かり方

 

語釈:

Good > good: 健全な
prosperity: 繁栄

 

検討:

○ Good health and physique の掛かり方:

(Good health)and(physique)か、Good(health and physique)か。

これは意味の上から後者。

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ good の意味:

「健康と立派な体格」と訳してよいか:

訳はこれで構わないが、文法的には多義である good が並列した名詞に掛かる場合、同じ意味でなければならない。ここはともに「良好な」の意味で health と physique に掛かっている。

例: hot tea and curry
で hot が tea と curry に等しく掛かる場合、「熱いお茶とカレー」または「辛いお茶とカレー」であって、「熱いお茶と辛いカレー」とは読めない。

 

6.1 例題(1)

 

 

* ポイント *

何と何が同格か

 

語釈:

later on: のちに、あとで。
cf. early on 予め、前もって
engender: 発生させる
within the nations: 諸国内部での
between the nations: 諸国間の
power-driven: (複合語)機械力

 

検討:

○ learn something about の something:

vi+副詞「いくぶんか」(古用法)、vt+名詞「なにがしかのもの」、のうち後者がよいだろう。

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

① 掛かり方:

which we are about to study は (1) the primary cause of the Industrial Revolution (2) the Industrial Revolution のうち、(2) に掛かる。「産業革命の第一の原因」には掛からない。理由が明らかになれば、study はそこで済んでしまう、と考えるのが順当。第一文でも「これから産業革命について学んで行く」と言っている。

② 並列:

science and inventions, and the rapid multiplication of power-driven machines.

これを普通の並列に訳すと面白味がない。この and は前後で因果が感じられるので、そのように訳すとよい。「科学が発達して発明が増え、その結果動力機械が急速に普及した」。

 

6.1 例題(2)

 

 

* ポイント *

可算、不可算に注目

 

語釈:

agree that: (1) … ということを認める (2) … ということに意見一致する、どちらも可。
devote: 捧げる
placation: 懐柔
thrive: 栄える
secondary: (1) 派生的な (2) 後発の、のうち (1)

 

検討:

① from:

from us の from は、対象を示す「… に対し」 from work の from は、免除・休止を示す。

② some force::

(1)(u) 「ある力」 (2)(c) 「いくらかの力」、のうち (1)

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

 

Chapter 6 同格構文 A  A=代名詞、etc.

 

 

6.2.1

 

 

* ポイント *

多義語の選択

 

語釈:

bondage: 隷属

 

検討:

○ physical nature:

physical: 身体の、肉体の、物質の、物理学の、自然科学の、…
nature: 性質、特質、自然、…

組み合わせると何十通りにもなるが、文脈に相応しいものを選ぶ。あとは訳者の解釈ということになる。「物理的自然」ではあいまい。科学業界用語では「物理的性状」だが、ここはふさわしくあるまい。「物質性」「肉体性」あたりでどうか。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.2.2

 

 

* ポイント *

each は強調

 

語釈:

right to: (… への)正当な要求。to は動作の根拠を示す

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.2.3

 

 

* ポイント *

we と none of us は同格

 

語釈: なし

 

検討: 

○ sure と以下の関係:

I am sure of it that … の略形と考えてもよい

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.2.4

 

 

* ポイント *

himself は強調

 

語釈: なし

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.2.5

 

 

* ポイント *

outside はどのあたりか

 

語釈:

anywhere: どこでも
outside: 「外側」だが、-side とあるごとく、そう遠く離れてはいないところ。
beyond: … のほかは(=except)

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.2.6

 

 

* ポイント *

最上級の譲歩

 

語釈:

extreme: 究極の
system: 方法
enslave: 奴隷にする

 

検討:

① the most powerful …:

最上級に even の気持が入る例。1、2割の文で該当するので、最上級がきたら、even の気持が入るのではないかとまず疑うのがよい。

② コロン:

以下詳細のしるし。ここでは one thing の内容を示している。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.2.7

 

 

* ポイント *

give は何を受けるか

 

語釈:

identify: 同一視する

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.2.8

 

 

* ポイント *

whether 以下が the question と同格

 

語釈:

consider: 決定する前によく考える
question: 困難や議論を引き起こす問題
whether: … かどうか
armament(s): 軍備、軍事

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.2.9

 

 

* ポイント *

what は疑問詞でありながら接続詞の役割

 

語釈: なし

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

6.2 例題(1)

 

 

* ポイント *

help と to の関係

 

語釈:

appreciation: 美的価値の理解 > 観賞力、眼識
acquired taste: 後天的な審美眼
laboriously: 苦難して

 

検討:

○ help one to acquire:

help 人 to do は結果を含意。「人を手伝って獲得させる」

 

訳例:

もっとも高尚かつ純粋な悦楽は苦難して得られねばならない後天的な審美眼である。この後天的審美眼を養うことこそ教育が目指すものである、すなわち人を助けて、できるだけ高尚な喜びを生み出す趣味嗜好を獲得させてやること。

 

さらに一歩:

○ That is what …:

what に the thing which を代入してみる。

That is the thing which education is for.
(これこそ教育が目指すところのことである)

さらに二文に分解する。

That is the thing. (これこそまさにそのことである)
Education is for the thing. (教育はそのことのために存する)

that は直前の事、ここでは「獲得形質である審美眼」。

 

6.2 例題(2)

 

 

* ポイント *

性格・分別を示す of

 

語釈:

the Government: 政府
 cf. Government 政治
short of: 不足して
at home: 国内で
textile: 織物
mechanic: 機械工

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

 

〈著者紹介〉

柴田 耕太郎(しばた こうたろう)

 早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。
 岩波書店勤務、フランス留学を経、大手劇団文芸部所属など演劇活動。
 翻訳業界で約40年。(株)DHC 取締役、(株)アイディ代表取締役を経、現在翻訳教育家。
 獨協大学外国語学部・東京女子大学非常勤講師。
 『英文翻訳テクニック』(ちくま新書)など著訳書十数冊。
 演劇・映像・出版・産業各分野で実績のある翻訳実践者。
 翻訳ベンチャー(株)アイディを自社ビルを有する中堅企業に育てた翻訳経営者。
 出版翻訳者を40人以上デビューさせた翻訳教育者。
 アイディ『英文教室』主宰。

 


 

 

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