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『英文解釈教室』ノート
20


Chapter 10 修飾語の位置(1) ① H . . . (句) . . . M

 

 

10.1.1

 

 

* ポイント *

M はどこへ掛かるか

 

語釈:

explorer: 探検者

 

検討:

○ wonder and surprise:

同義語反復「感嘆と驚嘆」。

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ full of wonder and surprise:

A baby、an explorer、a new world のどれに掛かるのか、本文解説と別の説明もできる。

(1) a new world が擬人化されているとは読みにくい。
(2) wonder と surprise は同義語反復である。

例:
He didn't show his surprise at his father's death.
彼は父の死を聞いても驚きを表情に表わさなかった。

stare in wonder at the doll in the window
陳列棚の人形を驚きの目で見る

full 以下を a explorer に掛けて意味が通る。

(3) full of 以下は主語 A baby の主格補語ともとれる。

A baby is full of wonder and surprise at …

以上より、an explorer が順当だが、A baby ともとれる。

 

10.1.2

 

 

* ポイント *

掛かり方が複層になっている

 

語釈:

suppose: 思う(think より控え目)
recognize: 認識する、識別する(然るべきものを然るべきものとして認めること)
paper: (1)(u) 紙 (2)(c) 書類 -s (3) 証明書 -s (4)(c) 新聞 (5)(c) 論文 (6)(u)(c) 手形

 

検討:

○ of themselves > of oneself:

(1) 一人でもって (2) 自分自身について、のうち (2)

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.1.3

 

 

* ポイント *

名詞構文

 

語釈:

regret: (1) … を後悔する (2) … を残念に思う、のうち (1)
failure: (1) 失敗 (2) 怠慢、のうち (2)
delight: 喜び

 

検討:

① my frequent failure:

文にしてみる。

I failed to bring … frequently.

fail to 〜 は、(1) … しない (2) … できない。文脈により適宜選ぶ。

② as a boy:

「少年として」が直訳。今は大人なのが文脈からとれるので「少年の時に」とする。

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

① to bring:

to 不定詞の形容詞用法。

(1) 「… するための」 目的
(2) 「… するという」 同格
(3) 「… するに足る」 充足

(1) で訳が決まらなければ、(2)(3) へと狭めてゆくとよい。

 

10.1.4

 

 

* ポイント *

修飾語の掛かり方

 

語釈: なし

 

検討:

① are to develop:

いわゆる be to do(be to が助動詞 should の役割)でない。

to develop は to 不定詞の名詞的用法「… すること」

② rights and duties:

これは同義語反復でなく、対語「権利と義務」。ときに duties and rights ともいう。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.1.5

 

 

* ポイント *

and の偉さ

 

語釈:

necessary: (1) 必要な (2) 必然的な、のうち (2)
conflict: (1) 闘争 (2) 衝突、のうち (2)

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

① between prosperous and employing classes of people and the employed mass:

between A and B の形で、A=prosperous and employing classes of people、B=the employed mass だが、classes への掛かり方が破格。

A=prosperous と employing は並列し次の classes に掛かっているが、of people は employing の目的語「人民を雇用している(階級)」で、prosperous とは直接結び合わない。

 

10.1.6

 

 

* ポイント *

involve の訳に注意

 

語釈:

for the first time: 初めて
involve: (1) … を巻き込む (2) … に関わる (3) … を伴う、のうち(1)。
nature: 本性

 

検討:

○ involve:

「含む」と訳しておかしくないこともあるが、次の違いに注意。

include: 「全体の一部である」one of them ということ
involve: 「必然的に伴う」

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ for the first time:

first「初めて」(おもに文中で用いられる)の強調形。

cf. at first「最初は」

「初めに」は、first(文頭で) at the beginning(文末で)

 

10.1.7

 

 

* ポイント *

一度か、かつてか

 

語釈:

mansion: 大邸宅。日本のマンションは apartment house(米)、condominium(英)。
reputation: (1) 評判、うわさ (2) 名声、のうち (1)。
haunt: (1) 足繁くゆく (2) 出没する、のうち (2)。

 

検討:

○ once:

「一度」: おもに文末。進行形不可

「かつて」: おもに動詞の前、文頭。現在完了不可

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ a large old mansion (α):

(I) called Irlam Hall、(II) about twenty miles from Manchester、(III) which had the reputation of being haunted の取り方。以下のどれでもよさそう。

(1) αに (I)(II)(III) が M(修飾語)として同列に掛かる。
(2) αに M1 (I)、M2 (II)、関係節 (III) が掛かる。
(3) αと (I) は一体。(II) は挿入。(III) が α+(I) に掛かる。

 

10.1.8

 

 

* ポイント *

who と what の関係

 

語釈: なし

 

検討:

① the kind of people:

「… な人々の種類」とすると日本語としておかしく、「… な種類の人々」とする。「… の種類」「種類の …」どちらで良い場合もある。これは日英語の表現の仕方の違いと考えられる。the kind of が形容詞的に次の名詞に掛かると説明してもよい。

② what you think of them:

この what は疑問代名詞とも疑問副詞ともとれる。what を in the way に仮に置き換えて平叙文にすると分かりやすい。You think of them in the way.(こんな風に考える)

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.1.9

 

 

* ポイント *

主語が頭でっかち

 

語釈:

strike: (1) 打撃 (2) ストライク(野球) (3) ストライキ(同盟罷業)、のうち (3)。
paralyse: … を麻痺させる
life: ここでは「活動」
the community: 一般社会

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.1.10

 

 

* ポイント *

指示性のない that

 

語釈:

reach to: … に届く
nature: 本質、本性

 

検討:

that part of a man's nature that is beyond his imperfections:

前の that は先行詞を予告する that で、指示性は少ない。「あれ」「それ」と言わずとも、何となく互いに了解されているものを指す。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.1.11

 

 

* ポイント *

何と何を何の点で比較か

 

語釈:

thought: ここでは「思考力」
speech: ここでは「話す能力」

 

検討:

① conversation:

con- 一緒に、verse- 回転させる、-tion 名詞語尾。丁々発止と言葉のキャッチボールができてこその conversation。「会話」との訳でずれることがある。

cf.
He is good at speaking English.
英会話がうまい(英語をうまくしゃべる)。

He is good at English conversation.
英語での会話術・会話の駆け引きにすぐれている。

② thought and speech:

並列は前後の偉さが同じになるようせねば、説得性がない。

「思想と会話」はだめ。「考えたり話したりすること」→「思考力と発言力」。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.1.12

 

 

* ポイント *

this が指すもの

 

語釈:

nothing but: =only
perception: 認識;理解

 

検討:

○ this remarkable difference:

this は直前、直後のものを指す。

that は直前のものを指す。

it は今文中において問題になっているものを指す。

ここでの this は、接続詞 that 以下の内容。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.1 例題(1)

 

 

* ポイント *

破格の that 節

 

語釈:

very: まさにその
somehow: なぜか
befall: 降りかかる

 

検討:

that America is different, is somehow exceptional, that there is reserved for its citizens another destiny from that which is to befall the Old World:

前の二つの that は接続詞の並列。通常は and で結ぶところ。三つ目の that は destiny を指す。is different, is somehow exceptional は通常なら、is different and somehow exceptional とするところ。リズム重視でこうなっている。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.1 例題(2)

 

 

* ポイント *

抽象名詞の passive meaning

 

語釈:

awakening: 覚醒、目覚め
appearance: 出現
audience: (集合的)聴衆
delegate: 代表
declaration: 宣言書
voting: (u) 集合的に、投票・投票権

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

① the awakening:

一語で訳せば「覚醒」。だがこの漢語と同じく時制・態があいまい。

 (1) 時制: 目覚めること、目覚めたこと、目覚めていること、目覚めるだろうこと
 (2) 態: 目覚めさせること、目覚めさせられること

どれになるかは文脈依拠。誤訳・悪訳に繋がるので注意。

② at Seneca Falls, New York:

ここでは場面が 小<大 となっている。逆に 大>小 となることもあるので注意。

 

 

Chapter 10 修飾語の位置(1) ② H . . . (節) . . . M

 

 

10.2.1

 

 

* ポイント *

掛かり方に注意

 

語釈:

such: (1) そのような (2) とても(+程度の副詞)、のうち (1) で as 以下が省略されている

 

検討:

○ with a people of such diverse background and a history so short:

ここでは (1) 意味の上、 (2) with 以下が長く直近の名詞句を飛び越えて掛かっても不自然でない、 (3) with の前にカンマがある、ということより a country に掛かると判断されるが、一般には直近のものに先ず掛けてみるのが原則。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.2.2

 

 

* ポイント *

of の意味

 

語釈:

sensation: (1) 感覚 (2) 気分 (3) 評判、のうち (2)

 

検討:

○ the sensation it gives you of freedom from all responsibility:

分かりにくければ面倒がらず、文にしてみる。

Travel gives you the sensation of freedom from all responsibility.

of が同格「… という」なのがよく分かるだろう。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.2.3

 

 

* ポイント *

than の役割

 

語釈:

glimpse: 一瞥

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ a better glimpse than I had had before of the real nature of human beings:

このあたり二つに分解してみる。

The incident gave me a better glimpse of the real nature of human beings.

I had had the glimpse of the real nature of human beings before.

than の前後で異なる glimpse を示しているのが分かる。

I had had の目的語が a glimpse ととれば、than は目的格の関係代名詞。

分解した下文のように復元する要素(完全な文)が隠れているととれば than は接続詞。 どちらでもいい。

 

10.2.4

 

 

* ポイント *

頭の修飾語が長い

 

語釈:

conservative: (1) 保守的な (2) 控え目な、のうち (2)
by nature: 生来
that is to say: つまり(イディオム扱い)
institution: (1) 設立 (2) 制度 (3) 機構、のうち (2)
beautiful: ここでは「優れた」「立派な」の意
loath: 嫌って
do away with: …なしで済ませる

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.2.5

 

 

* ポイント *

that と which の掛かり方

 

語釈:

legacy: 遺産

 

検討:

○ the legacies that a great genius leaves to mankind, which are delivered down from generation to generation:

that と which は二重制限でない。which の前のカンマがそれを示している。

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ 二重制限:

「二重制限は前から訳す」のが公式。

that A which B の形は A > B の意味。「A であるもののうちの B」と前から後に狭めてゆく。「B であるところの A」とすると、これが逆転してしまうので不可。

また that 〜 that あるいは which 〜 which となることも往々ある。

 

10.2.6

 

 

* ポイント *

anyone の意味

 

語釈:

mention: … の名を挙げる

 

検討:

○ anyone:

疑問文中の anyone は「そんな人いるかどうか分からないけれど誰でもいいから」のニュアンス。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.2.7

 

 

* ポイント *

of which、by which の二重制限

 

語釈:

decent: (1) 見苦しくない (2) 上品な (3) 相当な、のうち (1)

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.2.8

 

 

* ポイント *

訳し方に注意

 

語釈:

carry: 伝える

 

検討:

○ Everything you do that is perceptible to the eye …:

(1) 「人がして、目に入る全てのものは …」 ×
 並列にとられてしまう。

(2) 「目に入るもので、人がする全てのものは …」 ×
 二重制限が逆になってしまう。

(3) 「人がすることで、目に入る全てのものは …」 ○
 二重制限の忠実な訳。

(4) 「人のすることで、目に入るものは全て …」 ○
 everything の品詞を転換させた意訳。

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.2.9

 

 

* ポイント *

二重制限ではない

 

語釈: なし

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩: なし

 

10.2 例題

 

 

* ポイント *

二重制限の先頭の関係代名詞(which)の前に前置詞がくる形

 

語釈:

surround: … の周囲に置く
special lines: 独特の方向性
thrift: 節約
rude: 未開の

 

検討: なし

 

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ their complex economies:

「複雑な経済組織」は大げさな比喩に感じられる。1, 2, 3, 4, and 5 の並列が自然に感じられるよう、すこし抑えて「複雑な社会秩序」ぐらいにしてはどうか。

 

 

〈著者紹介〉

柴田 耕太郎(しばた こうたろう)

 早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。
 岩波書店勤務、フランス留学を経、大手劇団文芸部所属など演劇活動。
 翻訳業界で約40年。(株)DHC 取締役、(株)アイディ代表取締役を経、現在翻訳教育家。
 獨協大学外国語学部・東京女子大学非常勤講師。
 『英文翻訳テクニック』(ちくま新書)など著訳書十数冊。
 演劇・映像・出版・産業各分野で実績のある翻訳実践者。
 翻訳ベンチャー(株)アイディを自社ビルを有する中堅企業に育てた翻訳経営者。
 出版翻訳者を40人以上デビューさせた翻訳教育者。
 アイディ『英文教室』主宰。

 


 

 

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