* ポイント * 助動詞の並列
release: 解放
○ can and do: does は強調の助動詞。「現に … である」と訳すと収まりがよい。
* ポイント * it が後のものを指す例
prized: 重んずる
① it: it は「いま文中で問題になっていること」と覚えるとよい。 指すものは (1) 前にあり、特定化できる (2) 前にあるが、この辺りとしかいえない (3) 希だが、後にある (4) 漠然と状況を表わす。特に (2) に注意。 ② the most prized: 文字通り最上級に訳し「最も尊重されている」でもよいが、心情に力点を移し「最も大切な」、さらに比較の対象の見えない絶対最上級ととり「きわめて大切な」としてもよい。
* ポイント * 異なる時制の並列
abuse: 乱用 → 酷使
そのまま訳しておかしくないなら、語義はひねくらない方がよい。「少なからぬ土壌も生産性を」→「少なからぬ土壌が肥沃さを」
* ポイント * It が二つの to 不定詞を受けている
times: 特定の時期
○ times: (1) (u) (抽象的な)時、(空間に対する)時間 (2) (u)(c) 期間 (3) (c) (特定の)時 (4) … 回、倍
* ポイント * 掛かり方に注意
memory: (c) 記憶力 cf. (u) 記憶
fresh: 新鮮な → 最新の
stories < story: 話 → 噂話
celebrity: (c) 名士
knock: こつ
entertainingly: 面白く
○ , or: a good memory と a knock が大きな並列。bits of fresh gossip と little stories of some celebrity が小さな並列で、a good memory と繋がる。that she had read or heard somewhere は little stories of some celebrity に掛かる。
* ポイント * 異なる品詞の並列
smooth: 障害のない
responsive: 反応しやすい
○ remind: remind 人 of 〜 人に 〜 を思い出させる remind 人 that 〜 人に 〜 を気づかせる ここでは前置詞句 of our own death と that 節 that our body … が目的語として並列しているが、破格。
remind はこの場合、意味を狭めて「気づかせる」としたほうがよいだろう。
○ that: この that を、同格名詞節を導く接続詞ととれないだろうか? とれない。その場合はふつう、前にくる名詞は抽象的なもの(discovery, assumption, rumor など)に限られる。
* ポイント * do は代動詞
* ポイント * be+p.p. (V+C) と V の並列
governess: 女家庭教師
○ be+p.p. (V+C) and V: be+p.p. が一体で V と読んでもいい。
* ポイント * and の結ぶもの
○ helpful: -ful は
(1) … に満ちた。例: hopeful
(2) … の性質がある。例: forgetful
(3) … を引き起こす。例: harmful
、の三つの主な意味がある。慎重に選択しないと誤訳につながる。
○ prosperity and power: p の音を重ねており、同義語反復。日本語なら「富強」といったところか。
* ポイント * 現在分詞が三つ補語となって連なっている
deaf: 耳が聞こえない
such: そういった類のもの
英文和訳では「手紙を書いているところ、特に人生を楽しんでいるところは」と直訳調でよいだろうが、翻訳なら 〜ing のしつこい反復の語感を訳に生かしたい。「手紙を書くなどとは、特に人生を楽しんでいるなどとは」。
* ポイント * 構文が二つにとれる
look out: 目を向ける
see: 目に入る
○ 文型: S+V (O+C) or (O+C) とも S+V (O M) or (O M) ともとれる。
木の間越しに、彼らが畑の向こうを眺めると、納屋のあたりで働く農夫や、道で車を走らせている人たちが目に入る。
* ポイント * 並列に挿入節が入る
survive: … より長く生きる
○ that の省略: 従属部の節と節を結ぶには、通常後にも that が必要。that 〜 and that ― 。 だが (1) 動詞が同じ(主に be 動詞) (2)節が相似形で対照、の場合は後の that が省かれることがある。
○ knew < know: know は多義。
(1) 事実を知っている。
例: He knows nothing about it.
彼はそのことについて何も知らない
(2) 自覚している。
例: She knew what she was doing.
彼女は自分の行動を自覚していた
(3) 習得する。
例: Know when to write out numerals.
数字をいつスペルアウトすべきか習得しなさい
(4) 確信している。
例: I know you left it here.
それを君はきっとここに置き忘れたんだろう
(5) 面識がある。
例: I know him personally but not well.
彼とは面識があるが特に親しい仲というわけではない
(6) 見分けがつく。
例: I know my husband by his footsteps.
私は足音で夫だとわかる
(7) 限界を心得る。
例: Their joy knew no bounds.
彼らの喜びには限りがなかった
* ポイント * and の多用とそれぞれの意味
late summer: 晩夏
look to: … に面する
bed: 河原
pebble: 小石
boulder: 丸石
swiftly: すばやく
channel: 回路 → 水路 → 水脈
trunk: 枝
breeze: 軽風
① pebbles and boulders: 同義語反復 ② the road: the と出てくる以上、読者がそうと了解されるべきもので、家の前の道。 ③ except for: 道には葉っぱだけ、の意(前のところで、葉が落ちたといっているので、これは道に散り敷いた落ち葉)。同種のものの区別(例えば狭い道、汚れた道など、道どうし)であれば for はいらない。
夏の終わり、私たちは村の一軒家で暮らした。そこからは川と草原の向こうに山なみが見えた。河原の石は陽に照らされ白く乾き、青く澄んだ水がいく筋にもなって流れていた。軍隊が家の傍らをすぎ、道を進み、そのたびに木々の葉にほこりがかかった。幹にもほこりは降り、その年葉の落ちるのは早かった。私たちは、部隊が道をたどるのを、ほこりが舞い風に揺られ葉が落ちるのを、兵隊が行進するのを眺めた。あとには朽ちた葉としらじらとした道が残った。
① in the channels: 水路、川床、水流の深水部、細流と多義。文脈から、夏枯れして幾筋に分かれた細流、ととる。 ② troop: troops、the troops、the soliders と具体的になってゆく。 ④ breeze: 「微風」「そよ風」では葉は落ちない。「軽風」のこと。 ③ bare: 表の意味では「道が裸」だが、作者の心象風景を投影させ、裏の意味「殺風景」ととっても、訳文に違和感なければ可。 *この英文に関する詳細な解説は、2019.7月発売の小著『業務用 翻訳会社の英語――商品となる訳文の作り方』(仮題、日外アソシエーツ刊)に掲載の予定。
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