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『英文解釈教室』ノート
31


Chapter 14 共通関係 ② 修飾語の共通関係

 

 

14.2.1

 

 

* ポイント *

品詞の見極め

語釈: なし
検討:

○ vast mountain and highland areas:

形容詞+(名詞+名詞)+名詞の形。形容詞は最後の名詞に掛かる。(名詞+名詞)は形容詞化して、最後の名詞に掛かる。

訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.2.2

 

 

* ポイント *

as well as が接続詞扱い

語釈:

take: 意味をとる

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.2.3

 

 

* ポイント *

than が接続詞扱い

語釈:

somehow or other: どういうわけか
even: より一層
fine: 仕上がりがよい

検討:

○ fine:

fine は曲者。

Mr. Ito, who teaches us English, is a fine gentleman.
「伊藤先生は私たちに英語を教えて下さいますが、立派な紳士です」

この文例と訳を当時伊藤和夫の上司であった鈴木長十が予備校の授業で示した。私も人を教えるようになって、この文例を使ったところ、受講生から funny な英文ではといわれた。調べるとその通り。日本語でも「お目出度い日」とはいうが「お目出度い人」というと可笑しいのと同じ。このような名詞との結び付きにより意味の変わる多義の形容詞は英訳の場合、やたらに使わぬのがよい。また和訳の場合は、慎重に訳語を狭めねばならない。本文の fine は「称賛を示すに値する」の意味。

訳例:

… 不幸な結末に終わるほうがさらに出来がよく見えるのである。

さらに一歩: なし

 

14.2.4

 

 

* ポイント *

for the future of mankind が前後に掛かる

語釈: なし
検討: なし
訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.2.5

 

 

* ポイント *

分詞構文の読み方

語釈:

waxing > wax: 満ちる
waning > wane: 欠ける

検討:

① the new moon:

「新月」陰暦で、月の初めにみえる月。

② beginning:

… and it began with the new moon, it waxed to the full moon, and then it gradually waned. と読む。

訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.2.6

 

 

* ポイント *

常識で掛かり方を決める

語釈:

biological science: 生物学

検討:

○ plants and animals:

(1) (plants and animals) useful to man
(2) (plants) and (animals useful to man)

どちらをとるかは、文脈・常識・事実依拠

訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.2.7

 

 

* ポイント *

共通関係のカンマ

語釈:

culture: (1) 文化(集団に) (2) 教養(個人に)、のうち (2)。

検討:

○ , of culture:

of の前のカンマが the kind と the degree に対する支配関係を示す。

このカンマがないと、the degree にしか of は掛からないように思えてしまう。

訳例:

どんな人も、幼いころの環境から得た文化の型を完全に逃れることも、その程度を完全に超えることもない。

さらに一歩:

○ No man:

no=not any と読み替える。ここで出てきた not が wholly と組み部分否定になる(完全に … なわけではない)。かつ not が or と組み合わさり両者否定(A でも B でもない)。

 

14.2.8

 

 

* ポイント *

and が結ぶもの

語釈:

unquenchable: (渇望を)癒せない > 抑えられない

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩:

○ the discoveries and inventions:

discoveries と inventions が the で括られ、一体化している。


参 考

語釈:

suitor: (1) 求婚者 (2) 請願者

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩:

○ of her suitors:

her suitors と the poets が並列し、who 以下は the poets に掛かる、と読むのが順当(who 以下は the でブロックされる)。だがあまりよくないが、of A とof B が並列し、who 以下はその両方に掛かるとも読めなくもない。その場合、suitor は(本を捧げるとの共起性から)「求婚者」ととる。

 

14.2.9

 

 

* ポイント *

動詞に掛かる

語釈: なし
検討: なし
訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.2.10

 

 

* ポイント *

形容詞+前置詞の並列

語釈:

mineral: 無機物 > 鉱石

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.2.11

 

 

* ポイント *

訳語の選択

語釈:

fine: (皮肉で)ご立派な
economies: 節約
result: 結果として生ずる

検討: なし
訳例:

… その結果として生ずる経済効果について、

さらに一歩: なし

 

14.2.12

 

 

* ポイント *

長い修飾語句

語釈:

bore > bear: 持つ
carried > carry: 営む

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.2 例題(1)

 

 

* ポイント *

用語の訳に注意

語釈:

rare word: 稀語
dialect word: 業界語
technical term: 技術用語

検討: なし
訳例:

… 多くの稀語、専門語、技術用語など

さらに一歩: なし

 

14.2 例題(2)

 

 

* ポイント *

ちょっと嫌な掛かり方

語釈:

prevail: 流行っている(性向、傾向、風潮)
feelings: 気持ち

検討:

○ feelings:

(u) 感覚、(c) 感情、気分。-s が付くことによって、目に見えるものに転化する。

訳例: 略

 

さらに一歩:

○ of the writer's contemporaries:

S V O1 and V O2 M では、M は直近の O にのみ掛かるのが普通。ここは意味からして、O1 と O2 の両方に掛かると読むのがよいだろう。of の前にカンマがあれば、共通関係がはっきりする。

 

14.2 例題(3)

 

 

* ポイント *

文化面の理解

語釈:

settle: 植民する
wilderness: (c) 未開地
clear: 取り除く
manual labor: 肉体労働
combination: 結合
genuine: 純粋な

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩:

○ help build:

○ help to build:

help build は、自ら進んで参加、を含意。

help to build は、脇で手伝う、を含意。

 

 

〈著者紹介〉

柴田 耕太郎(しばた こうたろう)

 早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。
 岩波書店勤務、フランス留学を経、大手劇団文芸部所属など演劇活動。
 翻訳業界で約40年。(株)DHC 取締役、(株)アイディ代表取締役を経、現在翻訳教育家。
 獨協大学外国語学部・東京女子大学非常勤講師。
 『英文翻訳テクニック』(ちくま新書)など著訳書十数冊。
 演劇・映像・出版・産業各分野で実績のある翻訳実践者。
 翻訳ベンチャー(株)アイディを自社ビルを有する中堅企業に育てた翻訳経営者。
 出版翻訳者を40人以上デビューさせた翻訳教育者。
 アイディ『英文教室』主宰。

 


 

 

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