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『英文解釈教室』ノート
32


Chapter 14 共通関係 ③ A and (M) B

 

 

14.3.1

 

 

* ポイント *

if 節が M の役割

語釈:

striking: 顕著な

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.3.2

 

 

* ポイント *

had と remained が並列

語釈:

conventional: (1) 月並みの (2) 伝統的な、のうち (2)
illiterate: 読み書きできぬ;非識字者

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩:

con- 一緒に、ven- 来る、-tion 名詞化、-al 形容詞化する接尾辞。

元々はラテン語。それが1066年のノルマン・コンキストでイギリスを征服したノルマンジー公ウィリアム(フランス読みではギョーム)以来の古フランス語を経由して、英語になった。会議 → しきたり → 因習、と意味が広がった。

 

14.3.3

 

 

* ポイント *

with it は power を制限

語釈: なし
検討:

○ class:

(1) 「同種のものの集合」が基。(2) 「階級」はそこから派生した意味。

訳例:

富と、それに伴い権力が、ある集団から別の集団に移ってゆく。

さらに一歩: なし

 

14.3.4

 

 

* ポイント *

表の意味と裏の意味

語釈:

at home: (1) 在宅で (2) 面会日で
feel unwell: 身体の調子が悪い

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.3.5

 

 

* ポイント *

副詞節が二つの述語動詞の間に入っている

語釈: なし
検討:

○ jealously:

「嫉妬して」でも間違いではないが、少し和らげたほうが文脈に合いそう → 「やきもきして」。

訳例: 略
さらに一歩:

○ it の指すもの:

it は「文中で問題になっているもの」。それが指すものを語、句、節、文と、特定化できることが多いが、この辺りとしか言えないこともあるのに注意。また指すものは大体は前の方にあるが、後に来ることもある。ここもそう。it は could not 以下を指している。

 

14.3.6

 

 

* ポイント *

which の先行詞は前節全体

語釈:

went off > go off: 離れる
beautifully: とても(口語)

検討:

① southeast:

気象用語では「南東」(例: 根室、南東の風、風力 3)、一般語では「東南」(例: 東南の角部屋)。

② at other times of the year:

「一年の他の季節」と読む。the year は「一年」「その年」のうち文脈から「一年」、すると other times は「他の時」だが狭められ「他の季節」となる。

訳例:

居間は東南に面しており …

さらに一歩:

○ The parlor faced southeast:

上記では、and の代わりにカンマで結ばれている文が並列、ととったが、本文である the sun went off it early に対する独立分詞構文(本文の主語と分詞構文の主語が異なる)で理由を示すとも取れそう。

 

14.3.7

 

 

* ポイント *

共通関係のカンマ

語釈:

reading: (集合的に)読み物

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.3.8

 

 

* ポイント *

掛かり方の見極め

語釈:

nature: (1) 天然自然 (2) 自然物・自然現象 (3) 基本的性質、のうち (2)

検討:

○ nature:

「自然」の意味では、冠詞をつけないのがふつう。文脈からしても「自然物」がよいだろう。

訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.3.9

 

 

* ポイント *

いわゆる be to do(=助動詞扱い。可能、義務、運命、命令、予定を示す)ではない

語釈:

go: 出かける
on foot: 徒歩で

検討: なし
訳例: 略
さらに一歩:

○ to see a country, to get to know its people:

並列か言い換えかは、場合による。「一国を見ること、もっと言えば一国の国民を知ること」ととれば、言い換え。「一国を見ること、また一国の国民を知ること」ととれば並列。ここはどちらも可。

 

14.3.10

 

 

* ポイント *

長い分詞構文

語釈: なし
検討:

① expressing:

分詞構文。以下が長いので、and it expresses と読むとよい。「(… 聞かれるが、)これは 〜 を現している」

② at the same time:

「同時に」だが (1) 時間的同時性 (2) 気分的同時性、の二つを表わす。文脈次第で、一方に決まる場合、どちらともとれる場合、がある。(2) は「とはいえ」と逆接に訳すとよい場合もある。

訳例: 略
さらに一歩: なし

 

14.3 例題(1)

 

 

* ポイント *

挿入を正しく読む

語釈:

government: 政治
cf. the government 政府
democrat: 民主主義者

検討:

○ general:

(1) 全体的 (2) 一般的、の二つが考えられる。だが (2) は「専門的」の対語なのでここではとれない。

訳例:

… すなわち社会の全体的利益を代表する人々によって …

さらに一歩:

○ 存在の be:

I am a boy. 「僕は少年です」の am=be は S と C をイコールで結ぶ連結動詞。

本文の be は、骨組みだけ示せば Government can be. Government may be. Government should be. となるように S V で、存在動詞(「存在できる」「存在しうる」「存在すべき」)。

 

14.3 例題(2)

 

 

* ポイント *

複雑な掛かり方

語釈:

puny: 微小な
feeble: 微弱な
promise: 期待
derive: 引き出す
sustenance: 滋養
inexhaustible: 尽きない
realm: 領域
propitiated: 怒りを鎮める
incantation: まじない

検討:

① 同義語反復:

puny and feeble は、明らかな同義語反復「微小で微弱な」。このような場合、似た意味の言葉を and で結びリズムを出しているだけ。二つの語義の差にこだわるのは無意味。極端に言えば、一語に訳しても構わない。意味の重点は前の単語にある。

interest and promise 「興味と期待」、incantation and sacrifice 「呪術と生贄」は、同義語反復とまでゆかないが、二つの結びつきは極めて強い。訳して前後のバランスが崩れる場合は、多少の訳語の幅を広げ、日本語としてのまとまりを重んじるのがよいだろう。

② 強意複数:

heavens の -s は強意複数。広さ・範囲・強調を示す。ここは「空」を「天空」というようなもの。他にも waters(滔滔たる水の量を示す)、skies(空の広がりを示す)などがある。

③ faith の訳:

「信念」「信仰」「信心」「信頼」等の意味があるが、訳語の選択によって誤解を招くことがあり、十二分に注意が必要。

訳例: なし
さらに一歩:

○ 共通関係のカンマ:

本文の control と the environment の間のカンマは、the environment 以下が to understand と to control の両方に掛かるのを示している。to control the environment とだけ読んでしまうのを避けるための親切な指標。

 

 

〈著者紹介〉

柴田 耕太郎(しばた こうたろう)

 早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。
 岩波書店勤務、フランス留学を経、大手劇団文芸部所属など演劇活動。
 翻訳業界で約40年。(株)DHC 取締役、(株)アイディ代表取締役を経、現在翻訳教育家。
 獨協大学外国語学部・東京女子大学非常勤講師。
 『英文翻訳テクニック』(ちくま新書)など著訳書十数冊。
 演劇・映像・出版・産業各分野で実績のある翻訳実践者。
 翻訳ベンチャー(株)アイディを自社ビルを有する中堅企業に育てた翻訳経営者。
 出版翻訳者を40人以上デビューさせた翻訳教育者。
 アイディ『英文教室』主宰。

 


 

 

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